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EVや自動運転、モバイル端末や省エネなどさまざまな分野で急速に需要が拡大している高性能半導体デバイス。その性能を直接左右する重要な研磨プロセスにAIの活用を提案。工学部機械工学科 畝田道雄教授の研究グループ

金沢工業大学工学部機械工学科の畝田道雄教授(専門:精密工学、マイクロ・ナノ加工学)の研究グループでは、EVや自動運転、スマートフォンなどのモバイル端末、省エネパワーデバイスなど、さまざまな分野で急速に需要が拡大している高性能半導体デバイスの製造に欠かせない研磨プロセスの新たな制御手法として、ニューラルネットワークを用いたAIによる知能研磨システムを提案し、(公社)精密工学会が発刊する学術機関誌『精密工学会誌』Vol.86,No1,2020に学術論文としてその成果が掲載されました。

半導体デバイスの製造の中でもデバイスの性能を直接左右する研磨プロセスは制御が困難なものとされていましたが、このたび提案されたAIによる知能研磨システムは、研磨特性の制御を目的としたプロセスの自動決定を可能にする手法として、大きな期待が寄せられています。

当研究の背景

小型で高性能なモバイル端末の普及や省エネルギーパワーデバイス、EVの開発等を背景に高性能な半導体デバイスの需要が拡大しています。これらデバイスの製造プロセスではCMP(Chemical mechanical polishing:化学的機械的複合研磨)が用いられ、多層配線デバイスに代表されるように、CMPは微細化や多層化が進むデバイス構造の開発を支える重要な技術になっています。

さらに、近年急速に普及が進む発光ダイオード LEDs(Light Emitting Diodes)の製造に必要となるサファイア基板をはじめ、次世代パワーデバイスとして車の電動化や自動運転などでの利用が期待されるGaN(窒化ガリウム)基板やSiC(シリコンカーバイド)基板においては、これらが有する特異な難加工性のために、研磨プロセスの高効率化が望まれています。

一方で、CMPはプロセスを構成する研磨対象基板をはじめ、研磨パッドやスラリーによる消耗福資材の相互作用などにおいて、メカニズムの解明は十分ではなく、研磨プロセスの制御は困難なものになっています。

*スラリー 研磨の際に使われる粘性の流動体

研磨プロセスの新たな制御方法としてAIの導入

研究グループがこのたび提案した「ニューラルネットワークを用いたAIによる知能研磨システム」は、研磨プロセスの新しい制御方法として、AIの手法の一つであるニューラルネットワーク(Neural Networks、以降、NN)を用いたものです。

掲載された学術論文では、研究グループがこれまで培ってきたサファイアのCMPにおける研磨レートと研磨パッド表面性状、並びにコンディショニング条件の影響に関する結果を学習データセットに取り入れ、NNを用いて、所望の研磨レートを実現するための研磨パッド表面性状の予測と、それを具現化するコンディショニング条件の決定について、その有効性を検証しました。

知能研磨システムによって決定したコンディショニング条件による精度検証実験の結果、所望する研磨レートを数%程度の誤差で取得することに成功し、研磨プロセスに対するAI導入の有用性を示しました。

本論文の筆頭著者である大学院工学研究科機械工学専攻博士前期課程2年の吉崎大地さんは学部4年次のプロジェクトデザインⅢ(卒業研究)から本研究グループに参画し、本論文の他にも国際会議(台湾)での発表、国内研究会での招待講演(東京)、産学連携共同研究を推進するための定期的な成果報告と打ち合わせなど、数多くの成果を残してきています。

機械工学科、マイクロ・ナノ加工学の分野でも進むAIの導入、今後のさらなる進展に多方面から期待が寄せられています。

論文について

「ニューラルネットワークを用いたAIによる知能研磨システムの提案」

(『精密工学会誌』Vol.86,No1,2020』)

著者 吉崎大地(金沢工業大学大学院工学研究科機械工学専攻博士前期課程2年)、畝田道雄(金沢工業大学工学部機械工学科教授)、澁谷和孝(不二越機械工業株式会社)、宮下忠一(不二越機械工業株式会社)、石川憲一(金沢工業大学名誉学長・教授)

【関連リンク】

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjspe/86/1/86_80/_article/-char/ja

金沢工業大学工学部機械工学科の畝田道雄教授(専門:精密工学、マイクロ・ナノ加工学)の研究グループでは、EVや自動運転、スマートフォンなどのモバイル端末、省エネパワーデバイスなど、さまざまな分野で急速に需要が拡大している高性能半導体デバイスの製造に欠かせない研磨プロセスの新たな制御手法として、ニューラルネットワークを用いたAIによる知能研磨システムを提案し、(公社)精密工学会が発刊する学術機関誌『精密工学会誌』Vol.86,No1,2020に学術論文としてその成果が掲載されました。

半導体デバイスの製造の中でもデバイスの性能を直接左右する研磨プロセスは制御が困難なものとされていましたが、このたび提案されたAIによる知能研磨システムは、研磨特性の制御を目的としたプロセスの自動決定を可能にする手法として、大きな期待が寄せられています。

当研究の背景

小型で高性能なモバイル端末の普及や省エネルギーパワーデバイス、EVの開発等を背景に高性能な半導体デバイスの需要が拡大しています。これらデバイスの製造プロセスではCMP(Chemical mechanical polishing:化学的機械的複合研磨)が用いられ、多層配線デバイスに代表されるように、CMPは微細化や多層化が進むデバイス構造の開発を支える重要な技術になっています。

さらに、近年急速に普及が進む発光ダイオード LEDs(Light Emitting Diodes)の製造に必要となるサファイア基板をはじめ、次世代パワーデバイスとして車の電動化や自動運転などでの利用が期待されるGaN(窒化ガリウム)基板やSiC(シリコンカーバイド)基板においては、これらが有する特異な難加工性のために、研磨プロセスの高効率化が望まれています。

一方で、CMPはプロセスを構成する研磨対象基板をはじめ、研磨パッドやスラリーによる消耗福資材の相互作用などにおいて、メカニズムの解明は十分ではなく、研磨プロセスの制御は困難なものになっています。

*スラリー 研磨の際に使われる粘性の流動体

研磨プロセスの新たな制御方法としてAIの導入

研究グループがこのたび提案した「ニューラルネットワークを用いたAIによる知能研磨システム」は、研磨プロセスの新しい制御方法として、AIの手法の一つであるニューラルネットワーク(Neural Networks、以降、NN)を用いたものです。

掲載された学術論文では、研究グループがこれまで培ってきたサファイアのCMPにおける研磨レートと研磨パッド表面性状、並びにコンディショニング条件の影響に関する結果を学習データセットに取り入れ、NNを用いて、所望の研磨レートを実現するための研磨パッド表面性状の予測と、それを具現化するコンディショニング条件の決定について、その有効性を検証しました。

知能研磨システムによって決定したコンディショニング条件による精度検証実験の結果、所望する研磨レートを数%程度の誤差で取得することに成功し、研磨プロセスに対するAI導入の有用性を示しました。

本論文の筆頭著者である大学院工学研究科機械工学専攻博士前期課程2年の吉崎大地さんは学部4年次のプロジェクトデザインⅢ(卒業研究)から本研究グループに参画し、本論文の他にも国際会議(台湾)での発表、国内研究会での招待講演(東京)、産学連携共同研究を推進するための定期的な成果報告と打ち合わせなど、数多くの成果を残してきています。

機械工学科、マイクロ・ナノ加工学の分野でも進むAIの導入、今後のさらなる進展に多方面から期待が寄せられています。

論文について

「ニューラルネットワークを用いたAIによる知能研磨システムの提案」

(『精密工学会誌』Vol.86,No1,2020』)

著者 吉崎大地(金沢工業大学大学院工学研究科機械工学専攻博士前期課程2年)、畝田道雄(金沢工業大学工学部機械工学科教授)、澁谷和孝(不二越機械工業株式会社)、宮下忠一(不二越機械工業株式会社)、石川憲一(金沢工業大学名誉学長・教授)

【関連リンク】

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjspe/86/1/86_80/_article/-char/ja

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