KITの特色ある教育
プロジェクトデザイン教育
ユーザーは何を必要としているのかチームで考え、
解決策を具体化するプロジェクトデザイン教育
プロジェクトデザイン教育は、平成7年の第1次教育改革で誕生した本学の教育の柱になる4年間のカリキュラムです。この改革で育成すべき学生像を明確化し、教育目標を「自ら考え行動する技術者の育成」と定めました。プロジェクトデザイン教育では、知識教育と実技教育で培った能力を統合し、実践知に変える役割を担っています。
プロジェクトデザイン教育は問題発見から解決にいたる過程・方法をチームで実践しながら学ぶ、全学生必修の金沢工業大学オリジナルの教育です。ユーザーはどんなものを必要としているのか、問題を発見し、知識やアイデアを組み合わせて解決策を創出し、具体化して実験・検証・評価するPBL(Project Based Learning)を行います。世界の技術者教育で行われているConceive(考えだす)→Design(設計する)→Implement(行動する)→Operate(操作・運営する)という「CDIO」や、ユーザーを想定して何が問題で何を解決すべきかを考える「デザインシンキング」の手法も取り入れ、グローバル人材に期待される「イノベーション力」を実践的に身につけていきます。
「プロジェクトデザイン入門」(1年次前学期・全学部必修)
実験の手法を学ぶ
生み出した解決策を検証評価するために必要な実験のプロセスと技術を学びます。身につけた実験技術は社会に出てからもさまざまな場面で役立つでしょう。
「プロジェクトデザインⅠ」(1年次後学期・全学部必修)
創造のプロセスを体験
アイデアを組み合わせて新しいアイデアを創り出す手法とまとめる手法を学びます。そして身近なものからテーマを選び、「問題の発見→問題の明確化→アイデアの創出と評価・選定→アイデアの具体化」という技術者の創造のプロセスを体験します。
例) 「自転車の交通事故防止対策」→解決策「自転車通行の危険箇所3Dシミュレータ」
「プロジェクトデザインⅡ」(2年次前学期・全学部必修)
専門分野でアイデア創出
専門に関連するテーマに取り組み、アイデアの創出・具体化を行います。
例)
「過ごしやすい学生寮」→「過ごしやすさとは何か?」定義を考える
●物音 ●におい ●温度 ●部屋の大きさ ●明るさ etc 定義に基づいてアイデアを考案する
「プロジェクトデザイン実践」(2年次後学期・全学部必修)
アイデアを具体化して実験
「プロジェクトデザインⅡ」で生み出したアイデアを実際に具体化して実験を行い、解決策がユーザーが求めているものなのかどうか検証・評価します。実行可能な解決策は最終設計レポートにまとめ、公開ポスターセッションで発表します。
例)プロジェクトデザインⅡで「過ごしやすい学生寮」として遮音性能の高い部屋を考案。遮音性能のある材料の実験を行い、アイデアを検証する。
プロジェクトデザイン活動成果
プロジェクトデザイン実践の活動成果は、教室内で口頭発表するほかに、学外の方々を招いてポスターセッションという形で公開発表します。ポスターセッションにおいて優秀な発表を行ったチームにはベストポスター賞が与えられます。
「専門ゼミ」(3年次後学期・全学部必修) 4年次の研究テーマを決める
4年次のプロジェクトデザインⅢで取り組むテーマを決定します。4年次に所属する研究室が決まります。
「プロジェクトデザインⅢ」(4年次・全学部必修)
多様な解がある問題に挑む
学部時代に身につけた知識・能力を総動員して専門分野における“多様な解がある問題”、“未知な問題”に挑戦します。1年間の活動成果は公開発表審査会で学生自らが広く社会 にむけて発表します。