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金道研究室所属の陸田駿弥さん、越井天之輔さん、野本陽太さんの3人が「情報処理学会 第85回全国大会」で学生奨励賞受賞

大学院情報工学専攻博士前期課程1年・陸田駿弥さん、情報工学科4年・越井天之輔さん、同4年・野本陽太さんの3名が2023年3月2日(木)~4日(土)に行われた「情報処理学会 第85回全国大会~ダイバーシティと情報処理~」で学生奨励賞を受賞しました。

左から金道敏樹教授、陸田駿弥さん、越井天之輔さん、野本陽太さん

「情報処理学会 第85回全国大会~ダイバーシティと情報処理~」とは、最新の学術、技術動向や研究成果、講演なども行われる情報処理に関する発表会です。各受賞者の学生セッションの発表内容は以下の通りです。

テーマ:局所特徴量が担う情報量に基づくがん領域の高解像度可視化

著者:陸田駿弥、山田壮亮、金道敏樹(金沢工業大学・金沢医科大学)

陸田さんは、昨年も本大会で「学生奨励賞」を受賞しており、2年連続の受賞になります。陸田さんの研究は、がん患者とその検査数が増加していることを背景に“医師によるがん診断”を支援する病理画像診断技術の開発を目指したもの。研究の結果、高密度なSIFT特徴検出(特徴点の検出・特徴量の記述を行うアルゴリズム)と特徴量のサイズを考え、計算量削減の工夫をしたことで、教師データの境界線を高い精度で再現。がん領域と正常領域を高い解像度で見分けることができるシステムが評価を受けました。なお、判定に使う画像は、ガン画像診断コンペティション「CAMELYON16」で用意された画像データを使用しました。

テーマ:スマホ写真と風景パノラマ写真によるローカル道案内システム

著者:越井天之輔、近藤佑樹、金道敏樹(金沢工業大学)

越井さんは、スマートフォンで撮影した写真と風景パノラマ画像による道案内システムについての研究を発表しました。スマートフォンの一般的な地図アプリはユーザの「場所」に基づいて案内を行いますが、今回発表したのはユーザの「視覚情報」に基づいてガイダンスを提供するシステムです。システムの特徴は、パノラマ画像1枚を用意するだけで更新が可能であり、個人でも簡単に更新が可能な点です。新入生向けのキャンパス案内や観光客向けの商店街案内など、地域の現場で広く活用されることが期待できます。

テーマ:プロファイルクラスタから自身の興味を除くことで意外性のある推薦を可能にする

著者:野本陽太、廣瀬史也、金道敏樹(金沢工業大学)

野本さんは、情報の偏りを解消するため、ユーザーにとって意外性のあるものを推薦できるシステムの開発について発表しました。ユーザの興味には中核となる部分と中核から少し外れた部分、さらにその外に興味のない部分があります。そこで野本さんたちは中核から少し外れた部分に「意外性」が含まれると仮定しました。この仮定のもとで、意外性のあるものを推薦するためにユーザと似た興味を持つプロファイルクラスタからユーザの興味を除く手法「中核単語除去法」を考案しました。実験結果では、ユーザの約70%が5段階中4~5と良好な評価を受けました。この研究により、見たい情報が優先的に表示されるだけでなく、意外な情報も表示できるようになり、興味の中核以外が遮断される「フィルターバブル」の弊害が少なくなることが期待できます。

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