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阪神・淡路大震災クラスの地震でも耐えられる。別川製作所が既存の建物むけに新たに開発したデータセンター向け分電盤の耐震性能を共同研究で実証。自然災害に強靭な社会構築に期待

金沢工業大学地域防災環境科学研究所の後藤正美教授(専門 耐震工学)と株式会社別川製作所(石川県白山市)は、既存のデータセンター向けに新たに開発された分電盤の耐震性能に関する実証実験に共同で取り組んでいます。このたび当実験に使われた分電盤を令和元年5月22日(水)から24日(金)まで、東京ビッグサイト(東京国際展示場)で開催される「第67回電設工業展  JECA FAIR 2019」における株式会社別川製作所ブース(西1ホール 小間番号2-107)にて参考出展いたします。

近年のインターネット、クラウドサービスの急激な進化に伴い、それらの情報を安心安全に保管するデータセンターの需要が急速に拡大しています。新たに建設されるデータセンターには建物自体に免震構造や制震装置が施されますが、建築基準が改正される前の古い建物にデータセンターを設置する場合は、免震構造や制震装置がないため、分電盤自体に耐震性能が求められます。

今回の共同研究は、別川製作所が既存のデータセンター向けに新たに開発した分電盤について地域防災環境科学研究所の設備を使って加振実験を行ったもので、阪神・淡路大震災クラスの震度7相当の加振でも耐えられる筐体構造であることが確認されました。

世界有数の災害大国である我が国では、社会インフラの整備はもちろんですが、安心安全なデータセンターの開設も喫緊の課題となっています。この度耐震性能が確認された分電盤を導入することにより、既存の古い建物でも大震災に耐えられるデータセンターを開設できるため、国連SDGsで目指す自然災害に強靭な社会の構築に貢献できるものとして注目されています。

令和元年5月22日(水)から24日(金)まで、東京ビッグサイト(東京国際展示場)で開催される「第67回電設工業展  JECA FAIR 2019」で参考出展される新開発の分電盤。

阪神・淡路大震災クラスの震度7相当の加振でも耐えられる筐体構造であることが確認されました。

データセンターは大量の電力を消費するため、変換ロスの多い従来の交流給電システムより、変換ロスの少ない高電圧直流給電(HVDC)システムに注目が集まっています。また直流給電は太陽光、風力、水力、燃料電池など自然エネルギーとの親和性が高く、さらにはNASやリチウムなどの蓄電池と連携することで最大限のメリットを発揮できます。

当分電盤(RPP:リモート・パワー・パネル)は耐震性に優れているため、さまざまな環境での設置が可能です。

実証実験は金沢工業大学地域防災環境科学研究所内にある大型水平2軸同時加振振動台を使用して行われました。

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