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【研究最前線】
リアサスペンションで発電する小型電気自動車を開発。 秋田で実走行実験を実施。

リアサスペンションで発電する


金沢工業大学工学部機械工学科十河研究室と国際高等専門学校の小間 徹也准教授の研究グループは、このたびリアサスペンションで発電する小型電気自動車のプロトタイプを開発しました。「MAMETANK」と名付けられたこの電気自動車は5月4日、5日の2日間、秋田県の大潟村ソーラースポーツラインで開催された電気自動車の競技会、「ワールド・エコノ・ムーブ」で実走行実験を実施し、大きな注目を集めました。


一般的に自動車のサスペンションは振動エネルギーを熱エネルギーに変換することで振動を減衰させます。

しかしこの場合、熱エネルギーは大気中に廃棄されるため再利用には至っていません。

振動エネルギーを電気エネルギーに変換し回収ができれば、エネルギーの効率的な利用が可能になります。


研究グループは磁気サスペンションを独自に開発し「MAMETANK」の後輪に搭載しました。このサスペンションは、装置内部に配置する電磁コイルと磁石を,走行時に発生する振動によって相対的に動かして発電させる電磁誘導現象を利用したものとなっています。発電の過程では電磁的な制動力が生じるため,この力を振動減衰力として利用することにより,発電とダンピングの2つの機能を同時に得ることができます。


開発した発電モジュールは,磁石とコイルを逆方向に駆動し相対運動速度を高める独自のリンクメカニズムを実装することにより,発電量とダンピング力の双方を向上させることに成功しています。




走行試験の模様



走行試験の模様


十河研究室では4年生で夢考房フォーミュラプロジェクト経験者の坂野光一さんと自動車部で活動してきた妹尾祐希さんが車両の研究開発に関わりました。


金沢工業大学では国連全加盟国が合意した世界を変える17の目標「SDGs」の達成に向け、社会実装型の教育研究を進めています。SDGsが理念とする「誰一人取り残さない」世界へと変革する新技術は、学生たちの発想と教員の知見が結びつくことで実現可能となるのです。

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