専修科目の詳細(修士研究・ゼミ指導)
知的財産マネジメント領域
Intellectual Property Management
研究の主題と目標
イノベーションマネジメント研究(知的財産マネジメント領域)においては、知的財産系の教員が主となり、経営系の教員とともに研究指導を行います。イノベーションを推進するための企業経営において、知的財産の戦略的マネジメントはきわめて重要です。
本研究においては、事業の競争力を高めるために、事業(経営)、研究・開発、知的財産の三位一体の企業活動を実現するための戦略的な知的財産のマネジメントについて研究を行います。具体的には、特定の企業や業界等における企業活動と知的財産戦略について事例研究等を行い、戦略的な知的財産マネジメントのあるべき姿を検討します。また、その基盤となる特許法や著作権法とその実務についても研究対象とし、知的財産専門人材としての実践的応用力を身につけることができます。
加えて、知的財産戦略のベースとなる知的財産の本質、知的財産の価値評価、企業における知的財産マネジメントを戦略的に行うための組織論、知的財産マネジメント人材の育成・評価、リスクマネジメント、技術移転活動等についても研究を行います。
さらに、近年の国際技術標準化活動の重要性に鑑み、知的財産マネジメントの一環としていかに戦略的に技術標準化活動を進めていくかについても、実際の事例等を通して研究を行います。 企業活動における研究開発等の技術的側面のみならず、マーケティング活動とブランド戦略やデザイン戦略等も含め、知的財産全般のマネジメント戦略を研究対象とします。
研究指導方法・方針
専修科目は毎週土曜日に2コマ(180分)開講されます。指導を担当するのは知的財産の各分野において活躍する専任教員です。自身のアウトプットに対し、的確かつ丁寧なフィードバックをもらえるのが大きな魅力です。
研究テーマは各自の関心に沿って設定できますので、将来のキャリア構築を意識した内容にすることも、現在の仕事に関連した内容にすることも可能です。
さらに研究内容に応じて、学会での発表や論文投稿を行います。なお、博士後期課程に進学を希望される方は、その点を考慮した長期的なテーマに取り組むことも推奨しています。
過去の研究テーマ
・生体情報の事業活用に向けた特許戦略に関する研究
・化粧品素材の知的財産戦略に関する一考察
・メカ部品メーカーの知的財産戦略
・特許から見たRFID技術の市場勢力状況に関する研究
・大学保有特許活用のためのライセンスオファー活動
・医学部発の発明の事業化フレームワークとその要諦
・食品企業の知財部門による企業経営への貢献
・標準規格の著作権に関する考察
・オープンイノベーション環境におけるソフトウェア知的財産戦略
・セットメーカーと部品メーカーの垂直的アライアンスに関する考察
・中国における標準化活動およびパテントプールに関する研究
※入学前から研究テーマを温めている場合や、講義や自主学習を通して興味を持ったテーマがある場合には、
専任教員との面談により独自テーマを選定することが可能です。