開講科目の詳細

技術標準化と経営戦略特論
Technology Standardization and Management Strategy

担当教員

受講対象者

企業における事業戦略立案担当、知財戦略立案担当、
技術マネジメントとビジネスの関係に興味がある方など

授業の主題と概要

標準化活動をビジネスと結び付けるためには、知的財産管理と一体的に考えたうえで、戦略的に標準化活動を行う必要があります。標準化活動を公的な活動と位置付け、ボランティア的に参加していては利益に結び付かないし、多くの場合競争力を失うことになります。さらに標準化活動は知的財産管理と異なり、担当者個人や企業一社ではコントロールできず、予定通りに進まないことを前提とした周到な準備と活動が必要な活動で、その状況により企業における事業戦略をフレキシブルに変更していかなければなりません。標準を作ること、作らせないこと、他社の標準を使うこと、使わせないこと、全てを自社のビジネスモデルに一致させて正しいタイミングで実施しなければ、将来にわたって禍根を残すことになるのが標準化活動といえます。本講義では、このような標準化の本質を知り、それを利用できる力を獲得します。

具体的には、標準化とビジネスとの関係を切り口に様々な事例を見て、その効果の本質を探っていきます。特に、標準化と特許の関係について最初に学び、この使い分けの基本を理解した上で、標準化と競争法との関係、企業戦略における標準化の役割、イノベーションにおける標準の使い分け、環境や安全規制とそこにおける標準の価値、認証のビジネス活用などについて多くの事例を基に、その本質について議論します。

到達(習得)目標

企業等において知的財産のオープンとクローズの使い分け戦略を立案し、標準化活動部隊のマネジメント力・人材育成力を持ち、経営陣に対し標準化の重要性を自社の事例をもって説明できる能力を獲得することを目標とする

講義スケジュール

講義
回数
講義テーマ
1,2 標準化とは何か
ビジネスの観点から見た「標準化」とは、どのような意味をもつのか。その活用方法の基本的考え方、手順等について講義する (自転車、光ディスク、AKB48、初音ミクなどから選択して講義する)

製品標準のビジネス
標準化のうち、最も理解しやすい製品標準の事例を取り上げ、標準化のビジネス効果をサプライチェーンの中で理解する(DVD、FAX、メモリカード、半導体、光コネクタ、携帯電話、パソコン、シャンプー容器などから選択して講義する)
3,4 試験方法標準のビジネス活用
標準化による差別化を実現する試験方法の標準化について、その活用の方法、リスク、理想の形などを整理し、
試験方法標準のビジネス活用について理解する(光触媒、冷蔵庫、エアコン、液晶テレビなどの事例を講義する)

知的財産略と標準化
特許と標準の関係について、SEP(標準必須特許)問題の経緯や裁判事例、パテントプールビジネスの実態などについて講義する(DELL、JPEG、MPEG、DVD、携帯電話などから選択して講義する)
5,6 適合性評価・認証システムのビジネス活用
適合性評価システムの仕組みと、それを利用した認証ビジネスによるブランド化などについて、標準化との関係を示しつつ分析する(ISO-9000、携帯電話、抗菌プラスチック、自転車、信号バス、テフロンなどから選択して講義する)

標準化機関の使い分け戦略
様々な標準化機関の性格や機能を理解し、標準化機関を自らのビジネスに合う形で使い分ける考え方を学ぶ(ICカード、セキュリティマネジメント規格などを事例として紹介する)
7,8 イノベーションと標準化
1~6回の講義の総まとめとして、イノベーションと標準化の関係について、特に標準化におけるタイミングの重要性を様々な事例を見ることで理解し、 標準化によるイノベーションの実現方法について学ぶ。また、標準化に負けた場合の復活戦略も議論する。8限目は受講生の発表の時間とする

開講について

開講時期: 4学期
開講形態: 2コマ(180分)×4日間
講義回数: 全8回
※状況に応じて、一部変更が生じる場合もございます。予めご了承ください。

テキスト/参考図書

【テキスト】
特に指定しない

【参考図書】
江藤学(編集委員長)(2016)「標準化教本」日本規格協会
藤野仁三、江藤学(編著) (2009)「標準化ビジネス」白桃書房
新宅純次郎、江藤学(編著) (2008)「コンセンサス標準戦略」日本経済新聞社


※上記は一部追加・変更となる場合もございます。また、指定テキスト及びケースなどは、別途ご購入頂くもので、授業料には含まれておりません。予めご了承ください。

 

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