講義科目の詳細
AIによるデータ活用実務特論2
Business Application of AI and Data 2
担当教員
受講対象者
イノベーションマネジメント専攻の全受講生・科目等履修生および経営者・企画職・IT部門等、ビジネスでAIを活用したいと考えているすべての人の中で、自らのアイデアで、公共の補助金予算を取りに行ってでもそのアイデアを実現しようというアントレプレナーシップのある方々
授業の主題と概要
自分で定めたユースケースにおいて、AIによるビジネス価値を創造できるかを、自分でデータを理解し、分析シナリオを決めて、評価、適用までを実践的に実施する経験をして、そのKnow Howや考慮点を身に付けることを目標とします。アプローチは、3学期に開講される「AIによるデータ活用実務特論1」で学んだデータ主導型分析アプローチを実践活用します。授業は、様々な業界ビジネスケース実例の中でのデータの取り扱いを学んで、それに準じて、自らのユースケースに適用していく演習を中心に進めていきます。
① <ビジネスケース策定> AIシステムの特徴を、単なるITシステムと比較して把握し、その特徴を生かすユースケースを自分の身の回りの実務の中から創出する。
② <ビジネス効果に紐つくシナリオ定義> 自ら選んだユースケースにおけるビジネス課題を整理し、それをデータ分析によって解決できる可能性のある想定シナリオを価値定義する。
③ <データの理解> 定義したデータ分析シナリオにおいて、AIシステムをAIらしく価値あるものにするのに必要な知識データ」教師データになるデータ項目や文献を、自社及び公開された業界データベースから見繕う。また、現実に自らのユースケースでの知識データ・教師データの収集計画を策定する。
④ <データの準備> データの分析を実施する前に行うべきデータの加工や選定について、AIが特徴を見つけやすいデータへの変換について、自らのケースにおいて考える。
⑤ <モデル策定&評価> 準備できたデータを活用して、予測・分類モデルの精度を実感した上で、さらなるモデルの精度向上のための試作を立案でする。
⑥ ①~⑤で検討してきた内容を、自らのAIシステム企画提案書として取りまとめ、2020年度に募集されている官公庁のスタートアップ企業支援補助金募集への応募の形でまとめる。
到達(習得)目標
AIシステムを持続可能にするデータ活用の勘所が理解でき、業務改革を、ビッグデータ利活用の視点で企画、具現化できるための基本的な知識を身に付け、自らのAI企画を官公庁やスポンサー企業候補のコンソーシアムに提案する。補助金やスポンサーシップの約束を取り付けられたら、実用化もKIT-AI Laboとも一緒に検討する。
講義スケジュール
講義 回数 |
講義テーマ |
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1,2 | ・AIの本質=データの利活用であることを、様々な切り口でRemindする。 ・Platformerとしての新世代ビジネスモデルについて考える。 ・参加者個々人のユースケースについて、ビジネス理解を進め、データ利活用のシナリオ作成。 |
3,4 | ・1.2コマで自分用に定義したビジネスケースにおける課題を解決できるデータ分析シナリオを固める。 ・データ分析に使う社内外のビッグデータのコンテンツを収集&抽出し、そのデータコンテンツの品質確認。 ・授業前半で確認したデータを使って導き出せる予測や分類の精度要件とその精度を高めるために必要な追加データコンテンツを定義し、収集の業務プロセスを規定する。 |
5,6 | ・1-4コマまでで考えてきたビジネス課題とそれを解くためのデータコンテンツについて、データ分析モデルを作成に、実データでそのモデルのトレーニングと、初期精度確認を行い、どの程度の実務効果が狙えるかを見積もりして、その企画実現性を評価する。もし、実現性がない場合は、次回までの実現性向上計画を発表する。 ・ここまでの企画内容を踏まえて、ご自身の企画のスポンサーシップを持てるであろう官公庁入札や、大手ベンダーのコンテスト、各種スタートアップ支援プログラムを探しと、その募集要項に見合うOutputが作れることを確認する。 |
7,8 | ・5,6コマの宿題を織り込んだ最終企画書Draft+応募するスポンサー募集の付き合わせ発表を行い、講師だけではなく受講者と、AI企画書と、スポンサーへの応募成功とのGAPについての意見交換を行い、ブラシュアップポイントを洗い出す。 ・スポンサー企画への応募に必要な、ビジネス投資対効果予測と、チーム体制や動機付け、具体的なマスタープラン、他の規格との差別化要素、データ利活用の自己評価などのキーポイントについて、企画概要シートにまとめて、最終提案資料を準備する。 |
開講について
開講時期: 4学期
開講形態: 180分×4日間
講義回数: 全8回
※状況に応じて、一部変更が生じる場合もございます。予めご了承ください。
テキスト/参考図書
【テキスト】
AI本質リマインドの講義資料、演習でまとめていくワークシート集 (無償配布)
【参考図書】
『プラットフォーム革命-経済を支配するビジネスモデルはどう機能し、どう作られるのか?』(英治出版)
『プラットフォーム戦略−21世紀の競争を支配する「場を作る技術」』(東洋経済新報社)
※上記は一部追加・変更となる場合もございます。また、指定テキスト及びケースなどは、別途ご購入頂くもので、
授業料には含まれておりません。予めご了承ください。