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【高大連携レポート】
石川県立野々市明倫高等学校でVR体験講座を実施
2026年10月16日(金)、石川県立野々市明倫高校(石川県野々市市)にて、VR体験講座を実施しました。対象は同校のフロンティアプロジェクトに取り組む2年次生30名で、講師は鈴木亮一教授(情報理工学部ロボティクス学科)が務めました。当日は、チャレンジラボの職員1名と学生スタッフ3名が協力し、VR・MR技術の体験を通じて、防災をはじめとする社会課題の解決について考える機会を提供しました。今回の講座は、事前に実施された防災に関する学習を踏まえ、「さらにVR技術を活用してどのような社会課題を解決できるのか」をテーマとして行われました。
VRで新しい価値創出をする!
講座の冒頭では、同校の池田真彬教諭が「昨日はVRを活用した防災について学びました。本日は実際にVR技術を体験しながら、さらにどのような形で社会課題の解決につなげられるかを考えてほしい」と生徒たちに呼び掛けました。
続いて鈴木教授は、自身の研究事例を交えながらVR技術の可能性について講演しました。鈴木教授は「人々に新しい価値を提案する研究」に取り組んでおり、その一例として、自ら開発したVRチェアスキーを紹介しました。チェアスキー競技の認知向上を目指し、パラリンピック競技者と連携して臨場感ある体験が可能なシステムを開発したもので、VR映像だけでなく実際の競技動作を再現する体験チェアも組み合わせることで、競技への理解促進につなげていると説明しました。
また、医療・福祉分野での研究事例として、パーキンソン病患者の要望のもとに開発した、VRフィットネスゲームについても紹介しました。自宅で気軽に楽しく運動することを目的に、VRモグラ踏みゲームや上半身を使ったVR居合斬りゲームを開発したところ、運動への抵抗感を軽減しながら継続的にトレーニングする様子が見られたといいます。さらに、高齢者施設にVRゲームを提供した結果、入居者同士やスタッフとのコミュニケーションが活性化されるなど、VRが単なる技術ではなく、人と人をつなぐ役割も果たしていることが紹介されました。

学生らが制作したVRコンテンツを体験
講演後、生徒たちが4チームに分かれ、5種類のVR・MRコンテンツを体験しました。体験コーナーでは、VIVE Focusを使用した「VR居合切りゲーム」や「VRボクシング」、「VRアーチェリーゲーム」(いずれも鈴木研究室で開発)を体験しました。参加した生徒たちは、コントローラーを刀や拳、弓に見立てながら身体を動かし、仮想空間ならではの高い没入感を楽しんでいました。
また、Meta Questを活用したMRドローン操作では、空間上に表示される風船をドローンで割る体験を行い、現実空間とデジタル情報が融合するMR技術を体感しました。さらに、HoloLensによる「MRリラクゼーション」では、クッションに加える圧力によってキャラクターの表情が変化するコンテンツを体験し、生徒たちはゲームやエンターテインメントだけでなく、リラクゼーションや医療・福祉分野への応用可能性についても理解を深めました。



VRを活用してできることは何があるか?
体験後には、「VR技術を使ってどのような社会課題を解決できるか」「どのようなコンテンツを作ってみたいか」をテーマにチームディスカッションを実施しました。生徒たちからは、釣りや料理体験、ゴルフ、ジェットコースター、サッカー、バレーボール、ボウリング、ダーツなど、多彩なアイデアが提案されました。実際にVR・MR技術を体験したことで、単なる利用者の立場にとどまらず、自ら新たなコンテンツや活用方法を考える姿が見られました。
最後に鈴木教授は、「使う人がどのような楽しみを感じられるか、人を笑顔にできるコンテンツを考えてほしい」と生徒たちへメッセージを送りました。また池田教諭も、「困っている人を助けるという視点を忘れずに、さまざまな可能性を考えてほしい」と呼び掛け、講座を締めくくりました。
アンケート結果
講座終了後に実施したアンケートでは、約97%の生徒が「とても有意義な時間になった」と回答し、残る生徒も「まあまあ有意義な時間になった」と回答するなど、参加者全員が講座を肯定的に評価しました。
フリーコメントでは、「VRはゲームのための技術というイメージがあったが、高齢者支援やリハビリなどにも活用されていることを知った」「障害のある人や高齢者の生活を支える技術としてさらに発展してほしい」「VRによって人を助けたり、笑顔にしたりできることが分かった」といった感想が多く寄せられました。VR技術を娯楽だけでなく社会課題の解決に役立つ技術として捉える生徒が多く見られ、VRと人の生活の結びつきを深く理解できたようです。
また、「災害の疑似体験を通じて防災教育に活用できると思った」「手術や災害救助などの訓練にも役立つのではないか」「現実では簡単に体験できないことを安全に学べることがVRの魅力だと思った」など、防災や教育分野での活用可能性に注目する意見も数多く見られ、前日に学んだ防災教育と今回のVR体験を結び付けながら考察する姿勢もうかがえました。
さらに、「自分でもVRコンテンツを作ってみたい」「VRを活用して困っている人を助けたい」「将来の仕事や進路を考える上で参考になった」といった声も寄せられ、今回の講座が最先端技術への興味関心を高めるだけでなく、社会課題の解決や将来の学びについて考える機会にもなったことが分かりました。
まとめ
今回のVR体験講座は、最先端技術を体験するだけでなく、その技術を誰のために、どのように活用するのかを考える学びの場となりました。鈴木教授による研究事例の紹介と実際のVR・MR体験を通じて、生徒たちはVR技術が防災、医療、福祉、教育など幅広い分野で社会課題の解決に貢献できる可能性を学びました。また、体験後のディスカッションでは、自ら活用方法を考え、アイデアを共有することで、課題解決に向けた創造力や発想力を養う機会となりました。
金沢工業大学は今後も高等学校との連携を通じて、先端技術への興味関心を育むとともに、その技術を社会のために活用できる次世代人材の育成に取り組んでまいります。
