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【高大連携レポート2026】
金沢市立工業高校電気科の2年生が、10日間にわたり、金沢工業大学電気電子工学科3年次の授業に参加。パワーエレクトロニクスの基礎と応用について学ぶ

2026/10/5 NEW

1.はじめに

金沢工業大学と金沢市立工業高等学校(以下、市立工高)は、2024年12月の高大連携協定締結以来、双方の教育資源を活用した人材育成に取り組んでいます。この協定に基づく連携事業の一環として、市立工高電気科2年生を対象とした金沢工業大学の専門授業への参加プログラムが行われています。

本プログラムは昨年度に開始され、参加した高校生や指導に携わった大学生から高い評価を得ました。今年度はその成果を踏まえ、2年連続となる高大連携授業として実施することとなり、高校生が金沢工業大学の授業に参加しました。

授業内容は昨年度と同様に、金沢工業大学工学部電気電子工学科3年次の専門実験を高校生向けにアレンジしたもので、大学の実験設備を活用しながらパワーエレクトロニクスの基礎と応用について学びます。

大学ならではの実験環境の中で、教員や大学院生・学部生との交流を通して専門分野への理解を深めるとともに、将来の進路や学びについて考える機会となりました。

2.連携授業の概要

連携授業は、2026年4月~7月の木曜日の3・4時限(13:15~16:50)に計10回(4/16,4/23,5/21,5/28,6/4,6/11,6/18,6/25,7/9,7/30)行われ、市立工高の電気科2年生が少人数グループに分かれて参加しました。

対象学生:市立工高 電気科2年生(4名×10回 計40名)

金沢工業大学側担当:
大澤直樹教授、大学院生(Teaching Assistant: TA)、学部4年生(Student Assistant: SA)

市立工高側主担当:
東出拓也教諭(電気科 科長)、他

内容:授業の進め方
電力変換回路の説明
実験装置の説明と安全教育

・実験①
[大学・市立工高] 電力変換の流れの理解

・実験②
[大学] 電力変換回路の特性調査
[市立工高] 誘導電動機(モータ)の速度制御

テーマは「電力変換回路」であり、整流回路やインバータ回路の仕組み、パワー半導体を用いた電力制御技術について学びました。また、電気自動車や省エネルギー機器、再生可能エネルギーシステムなど、社会で活用される技術との関連についても理解を深めました。

3. 授業内容と進行の詳細

3.1 導入・講義部分

授業冒頭に、大澤教授より金沢工業大学の学生と市立工高の生徒にパワーエレクトロニクスの意義や社会での実装例について説明が行われました。電力の変換や制御の重要性、スイッチング素子としてのパワー半導体の役割の説明や、エアコンや電気自動車、鉄道設備、再生可能エネルギーシステムなど、日常生活や社会インフラを支える技術にパワーエレクトロニクスが活用について説明があり、生徒らはその重要性を実感する機会となりました。

3.2 実験装置の説明と安全教育

実験前には、整流回路とPWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)方式のインバータ回路で構成される単相インバータ実験ユニットの操作説明が行われ、実験操作に向けた注意事項を学びました。

3.3 実験:①電力変換の流れの理解、②誘導電動機(モータ)の速度制御

大学の実験室では、実際に交流を直流に変換する整流器や直流を交流に変換するインバータを操作しながら電力変換やモータ制御の仕組みを体験しました。特にインバータの周波数を変化させた際のモータ回転数の変化を観察することで、授業で学んだ理論と実際の現象とのつながりを理解することができました。生徒からは、「実際に見て触れて理解できた」、「教科書だけでは分からなかった内容を体験的に学べた」といった感想が寄せられ、実践的な学びの効果が確認されました。

また、オシロスコープをはじめとする専門的な測定機器を使用する場面では、生徒から「波形を実際に観測できて興味深かった」、「他の波形も測定してみたい」といった声が聞かれ、高校では触れる機会の少ない機器への関心の高さがうかがえました。

4. 高校生の「学びと体験」の感想

授業終了後の振り返りでは、多くの生徒がパワーエレクトロニクス分野への理解が深まったと回答しました。また、大学の施設や実験設備、授業の雰囲気を実際に体験できたことで、大学進学や電気電子分野への関心が高まったとの意見も見られ、専門知識の理解だけでなく、将来の進路やキャリアについて考えるきっかけとなり、高校での学習意欲向上にもつながる有意義な機会となりました。

5. 大学生・大学院生にとっての教育的効果

実験指導を担当したTA・SAからは、「高校生に専門内容を分かりやすく説明することで、自身の理解がさらに深まった」、「説明力やコミュニケーション能力の向上につながった」といった意見が寄せられました。また、高校生からの質問に対応したり、身近な事例を交えて説明したりする過程で、自身の知識を整理する機会となり、教育活動への関心や研究への意欲向上につながったとの声も聞かれました。さらに、高校生が熱心に実験へ取り組み、理解を深めていく様子を間近で見ることで、指導者としての達成感ややりがいを実感する機会ともなりました。

5. まとめ

2回目となる連携授業の実施は、昨年度の成果や経験を活かしながら授業を運営し、高校生・大学生双方にとってより充実した学習プログラムとなりました。2年連続の実施を通して、高校生の学習意欲や進路意識の向上、大学生の教育力向上という双方の教育効果を確認することができました。

本事業は、高校と大学がそれぞれの教育資源を活用しながら学びを接続する高大連携のモデルとして定着しつつあり、今後も継続的な実施を通じて地域の理工系人材育成への貢献が期待されます。

(関連ページ)

金沢工業大学工学部 電気エネルギーシステム工学科

金沢工業大学工学部 電子情報システム工学科