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【生成AIを活用した数学・物理学習支援チャットボットを開発】
人気の「数学ナビゲーション」「物理ナビゲーション」の使い勝手がさらに向上
金沢工業大学数理工教育研究センターでは、生成AIを活用した数学・物理学習支援チャットボットを開発し、「KIT STEMナビゲーション」上で公開しました。
「KIT STEMナビゲーション」は、高校と大学1,2年次に学ぶ数学、物理の内容が中心になった学習教材です。「数学ナビゲーション」では、基本となる数学の公式を整理して掲載しているので、数学の辞書のように利用できるほか、問題を解くためのノウハウも掲載しているので、どのように問題をといたらいいかわからない時に誰でも利用できます。「物理ナビゲーション」は物理のeラーニング教材とて活用されています。
いずれも、在学生だけでなく、入学予定者、さらには高校生や社会人、他大学の学生にも広く利用されています。
このたび開発されたAIチャットボットは、数学の質問に答えるAIチャットボット「マスコ(Mathko)」と、物理の質問に答えるAIチャットボット「カンタ(Quanta)」があります。質問を送信すると、KIT STEMナビゲーション内の関連ページを探し、その内容を参考に回答します。両チャットボットは、スマートフォンでの利用も可能で、学習者が抱える疑問や質問に対して対話形式で回答し、学習内容の理解促進や自律的な学習を支援します。
さらに使い勝手が向上した KIT STEMナビゲーション。
ぜひご活用ください。

●数学の質問に答えるAIチャットボット「マスコ(Mathko)」は、
「数学ナビゲーショション」の画面右下の青い吹き出しボタンから利用できます。
●物理の質問に答えるAIチャットボット「カンタ(Quanta)」は、
「物理ナビゲーショション」の画面右下の青い吹き出しボタンから利用できます。
開発の背景
近年、生成AI技術の発展により、教育分野におけるAI活用の可能性が大きく広がっています。一方で、一般的な生成AIは誤った情報を生成する場合があり、教育現場での活用には専門分野に特化した知識基盤や回答の信頼性向上が求められています。
本研究では、高校から大学初年次までの数学、物理 を対象として、生成AIと教育支援システムを組み合わせた専門特化型チャットボットを開発し、その教育効果を検証することを目的としています。生成AI技術や大規模言語モデル(LLM)、検索拡張生成(RAG)などの技術を活用し、学習者が必要とする知識へ効率的にアクセスできる学習支援環境の構築を目指しています。
チャットボットの概要
■ 数学担当AIチャットボット「マスコ(Mathko)」

マスコは、微分積分学、線形代数、微分方程式、数列・級数など、大学初年次教育を中心とした数学分野の質問に対応するAIチャットボットです。
例えば、
•合成関数の微分法
•置換積分の考え方
•行列計算
•テイラー展開
•ベクトル解析
などについて質問すると、利用者の理解レベルに応じて説明を行います。具体例を示した説明や途中式を含めた解説など、学習者の要望に応じた回答も可能です。
■ 物理担当AIチャットボット「カンタ(Quanta)」
カンタは、力学、電磁気学、波動、熱力学などの物理分野の質問に対応するAIチャットボットです。
例えば、
•ニュートンの運動方程式
•自由落下運動
•力の合成と分解
•電磁気学の基礎概念
•ビオ・サバールの法則
といった内容について、概念説明から数式を用いた解説まで行います。
KIT STEMナビゲーションとの連携が最大の特徴
本チャットボットの最大の特徴は、金沢工業大学が運用する学習支援システム「KIT STEMナビゲーション」と連携している点です。
利用者が質問を入力すると、チャットボットはKIT STEMナビゲーション内に蓄積された学習コンテンツや関連ページを検索し、それらの情報を参照しながら回答を生成します。回答内には参照番号が表示され、利用者は回答の根拠となったページを直接確認することができます。
一般的な生成AIによる回答だけではなく、金沢工業大学が整備してきた教育コンテンツを活用することで、
•回答の信頼性向上
•学習内容との整合性確保
•関連教材へのスムーズな誘導
•学習者自身による理解の深化
を実現しています。
また、単なる質問応答にとどまらず、知識グラフを基盤とするKIT STEMナビゲーションとの連携により、関連する学習項目へと学習を発展させることが可能です。学習者は自らの疑問を出発点として、体系的な知識の獲得へとつなげることができます。
利用しやすさを高める機能
チャットボットには、学習用途に配慮した様々な機能を実装しています。
●思考モード
質問内容に応じて回答方式を切り替えることができます。
•思考モードON:複雑な問題や詳細な説明に対応
•思考モードOFF:簡潔かつ迅速な回答に対応
利用者は学習目的に応じて使い分けることができます。
●数式入力エディタ
数学や物理の学習では複雑な数式を扱う場面が多くあります。
本システムではTeX形式による数式入力に対応し、分数、積分、行列、根号などの数式を専用の数式エディタから容易に入力できます。これにより、学習者は紙に書く感覚に近い形で質問を行うことができます。
AIチャットボットの使い方
AIチャットボットの使用方法等、詳細は以下のページをご覧ください。
今後の展望
今後は、KIT STEMナビゲーションとの連携機能をさらに強化し、学習履歴や学習状況に応じた個別最適化学習支援の実現を目指します。また、回答精度の向上、新たな学習支援機能の追加、教育効果の検証を進めながら、生成AIを活用した次世代型学習支援環境の構築を推進していく予定です。さらに、本研究を通じて得られた成果や知見を広く共有し、教育分野における生成AI活用の発展に貢献してまいります。
※当AIチャットボットは科学研究費補助金(基盤研究(C)「生成AIを活用した数理教育支援チャットボットの開発とeラーニングシステムへの導入」 課題番号:25K06650)の研究の一環として、金沢工業大学 基礎教育部 数理・データサイエンス・AI教育課程(研究代表者:西岡 圭太 教授)が開発したものです。



