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【AIとドローンで制御教育を革新】
ロボティクス学科伊藤恒平教授がJUIDA理事長賞を受賞
ドローンに特化した国内最大規模の専門展示会「Japan Drone/次世代エアモビリティEXPO」(主催:JUIDA一般社団法人UAS産業振興協議会)が、2026年6月3日(水)から6月5日(金)まで幕張メッセにて開催されました。
会期中、JUIDA主催の「ポスターセッション2026」が行われ、大学・研究機関・企業から19件の発表が集まり、ドローンや次世代エアモビリティに関する最新の研究成果が共有されました。
このセッションにおいて、金沢工業大学情報理工学部ロボティクス学科の伊藤恒平教授が「StampFly Ecosystem ― あなた専用のDX/制御教育をAIと作る基盤」を発表し、優れた研究発表に贈られるJUIDA理事長賞を受賞しました。




従来のドローン教育が抱えていた課題
ドローンを用いた制御教育は、工学分野を横断的に学べる優れた教材である一方で、これまでいくつかの課題がありました。
第一に、機種ごとに構成やソフトウェアが異なるため、教育環境の構築に大きな手間がかかる点です。毎回異なる機体の準備や設定が必要となり、教員側の負担が大きいという問題がありました。
第二に、導入コストの高さです。既存の教育用ドローンは1セットあたり高価で、複数人分を揃えることが難しく、クラス単位での導入に障壁がありました。
第三に、製品の継続性の問題です。従来の教育用ドローンは数年で販売終了となることが多く、長期的なカリキュラム設計が困難でした。
さらに、安全性や運用面でも課題があり、一般的なドローンは重量や騒音の問題から教室内で気軽に飛行させることができず、実践的な学習機会が制限されていました。
課題を解決する「StampFly Ecosystem」
伊藤教授が開発した「StampFly Ecosystem」は、こうした従来の課題を解決するために設計された、ドローン制御教育のための統合基盤です。

本システムでは、小型ドローン(StampFly)、シミュレータ、教材、制御ツールなどを一体化し、オープンソースのリポジトリとして提供しています。これにより、必要な環境を一括で整備でき、教育準備の負担を大幅に軽減できます。
また、約37gの軽量機体を採用することで航空法の100g規制の対象外となり、教室内でも安全に飛行させることが可能です。これにより、実機を使った実践的な授業を日常的に行えるようになります。
さらに、Wi-FiやBLE通信を備え、IoT教材としても活用できるほか、400Hzの姿勢制御や誤差状態カルマンフィルタ(ESKF)による状態推定など、本格的な制御理論を実機で学べる点も大きな特長です。
コスト面でも、従来の教材に比べて導入費用を大幅に抑えることができ、より多くの教育機関での活用が期待されています。

AIによる“個別最適化された教育”の実現
本エコシステムの最大の特長は、AIとの連携による教育の高度化です。
利用者が自然言語で教育内容の要件を入力するだけで、AIが講義構成、実習内容、プログラムコード、評価方法までを含めたカリキュラムを自動生成します。例えば、「短期間で制御の基礎を学ぶ集中講義」や「企業研修向けの実践的プログラム」といった多様なニーズに応じた教育設計が可能です。
これにより、教員はゼロから教材を設計する負担が軽減され、学生のレベルや目的に応じた柔軟な授業開発が実現できます。
幅広い用途と教育効果
「StampFly Ecosystem」は、大学教育にとどまらず、さまざまな場面での活用が想定されています。
例えば、
・大学・高専における制御工学やロボティクス教育
・企業における新人研修やリスキリング
・IoT・組込みシステム教育
・シミュレーションと実機を組み合わせた実践学習
などです。
一台のドローンを用いて、制御工学、飛行力学、空気力学、システム同定、シミュレーション、組込み、IoTといった複数分野を横断的に学ぶことができ、「モデル化→制御→検証」という一連のプロセスを実践的に習得できる点は、本システムの大きな教育効果といえます。
今後の展望
伊藤教授の研究は、AIとロボティクスを融合し、教育の個別最適化と実践性を両立させる新しい教育モデルを提示するものです。
今回の受賞は、その革新性と実用性が高く評価された結果であり、本システムは今後の工学教育や人材育成に大きな影響を与えることが期待されます。
金沢工業大学では社会実装型の教育研究を全学的に推進し、社会のニーズに応える高度人材の育成に取り組んでまいります。
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