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情報工学科4年生がARM64の自作OS開発に挑戦
― インターンシップを通じて最先端IT基盤技術を実践的に学ぶ ―

金沢工業大学工学部情報工学科4年次の橘 真吾さんは学部3年次のとき、ITインフラ分野で高い技術力を有するVA Linux Systems Japan株式会社(本社:東京都江東区)のインターン生として、ARM64アーキテクチャ向けのオペレーティングシステム(OS)作成プロジェクトに取り組みました。その成果が、同社が運営する技術ブログにおいて、全4回の連載記事として公開されています。
橘さんが同社のインターンシップに参加するきっかけとなったのは、2025年度に坂本真仁准教授が担当した情報工学科の専門科目「データサイエンス」の授業内で実施された、VA Linux Systems Japanの技術者による特別講義でした。実務の最前線で活躍するエンジニアの話に触れたことで、大学で学んだ知識を実際の開発現場で試してみたいという思いが強まり、インターンへの参加につながりました。

ARM64のOSとは何か
OSとは、コンピュータ全体を制御する最も基本的なソフトウェアで、CPUやメモリ、周辺機器を管理し、アプリケーションを動作させる役割を担っています。パソコンやスマートフォンで日常的に使われているWindows、macOS、Linux、AndroidなどもすべてOSです。
今回橘さんが取り組んだのは、ARM64(AArch64)と呼ばれるCPUアーキテクチャ向けOSの開発です。ARM64は、スマートフォンやタブレットだけでなく、IoT機器、産業用組込み機器、近年ではサーバやパソコン(Apple社のMシリーズなど)にも広く採用されている、省電力かつ高性能なCPUアーキテクチャです。現在の情報社会を支える重要な基盤技術の一つと言えます。
ゼロからOSを作る挑戦
橘さんのプロジェクトでは、Raspberry Pi 4というARM64搭載の小型コンピュータを用いて、OSを「何もない状態から一つずつ作り上げていく」ベアメタル開発に挑戦しました。コンピュータへの通電直後の処理から自分で記述し、OSが動作する仕組みを理解することが目的です。
連載記事では、
・OSの起動と文字出力
・複数の処理を切り替えて実行する「マルチタスク」
・タイマー割り込みを利用した時間管理
・セマフォによる排他制御とタスク間同期
といった、OSの根幹をなす機能を段階的に実装していく様子が詳しく解説されています。C言語とARM64アセンブリ言語を使い分けながら、CPUのレジスタ制御や割り込み処理を実装する経験は、大学の講義だけでは得がたい実践力につながっています。

インターンシップを通じた学びの意義
今回の取り組みは、単なるプログラミング演習ではなく、現代のIT社会を支える「基盤技術」を理解し、自ら実装する貴重な学習機会となりました。ARM64は、今後もモバイル、組込み、クラウド分野での活用が拡大すると考えられており、その内部構造やOSレベルの制御を理解している技術者の価値はますます高まっています。
橘さんにとって本インターンシップは、授業で学んだ知識と実務を結び付け、自身の専門性をより深める重要な経験となりました。
金沢工業大学は「プロジェクト力」×「情報活用力」×「専門力」を身につけた、自ら考え行動する創造的探究・実践人材の育成にむけ、社会実装型教育研究の充実を図ってまいります。
橘 真吾さんが取り組んだ成果が公開された
VA Linux Systems Japan株式会社の技術ブログ
https://www.valinux.co.jp/blog/entry/20260212
https://www.valinux.co.jp/blog/entry/20260317
https://www.valinux.co.jp/blog/entry/20260331
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