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【ののいち22世紀デジタル美術館②】
8日間で1,500名が来場!松林研究室が実社会を舞台とした「マーケティングテクノロジー」を社会実装
金沢工業大学 経営情報学科の松林研究室(指導教員:松林賢司教授)は、2026年1月31日(土)から2月8日(日)の8日間、野々市市の「学びの杜・ののいちカレード」にて、地方創生を目的とした実証実験「ののいち22世紀デジタル美術館②」を開館しました。

本プロジェクトは、金沢工業大学独自の課題解決型教育「プロジェクトデザインIII(卒業研究)」の一環として、宮前光希さん(経営情報学科4年)を中心に企画・運営されたものです。野々市市の新たな名所創出による地域活性化効果を検証することを目的とし、産官学の強力なバックアップ(GMOインターネットグループ、さくらホームグループ、日本エージェンシー、北菱電興、塩谷建設の協賛、および野々市市・同教育委員会等の後援)を得て実現しました。
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社会実証フレームワークによる「満足度91%」の達成
昨年の第1回に続き、今回は松林教授が提唱する学術的フレームワーク「マーケティングテクノロジー」に基づいた実証が行われました。これは、最新のテクノロジーをマーケティング学の視点で社会実装する手法です。
今回は特に「市民参加型」をキーワードに、プロ・アマを問わない地元クリエイターによる公募型コンテンツの展示と、来場者によるコンテスト形式を導入。その結果、当初予想の1,000人を大幅に上回る約1,500人が来場しました。来場者アンケート(N=400)では、満足度が前回の82%から91%へと飛躍的に向上(「非常に満足」36%、「満足」55%)。再来場意向も89%に達し、先端技術と市民の創造性が融合することで、地域コミュニティに深い「親近感」と「共感」を醸成できることが実証されました。

多彩なイマーシブ・コンテンツ:産官学と地域の共創
会場内は、高性能プロジェクターにより壁・床・天井の全方位に映像を投影し、異次元の没入感(イマーシブ)を演出。学生たちが外部機関と連携して制作・構成した計15作品が、来場者を圧倒しました。
■特別展示・外部連携:世界と繋がるデジタルアート
・世界的アートの再構成: 「川崎市岡本太郎美術館」や「すみだ北斎美術館」を学生自ら取材し、名作をデジタル空間に再構築。また、GMOインターネットグループの熊谷正寿代表の協力を得て、東京・渋谷の「GMOデジタル美術館」で展示中のバンクシー作品を本イベント用に特別編成しました。
・デジタルアートの先駆者との共演: プロジェクションマッピングの創始者・長谷川章先生の最新作『BROCKEN CIRCLE』を展示。鑑賞者の影がアートの一部となる体験は、子どもたちを中心に絶大な支持を集めました。
■地域密着・復興支援:石川の「今」を映し出す
・能登復興支援プロジェクト: 地元クリエイター澤田翔吾氏による市民100名の応援メッセージ作品や、被災した輪島塗を再生するドキュメンタリー『Re born 輪島塗』(富山大学連携)を展示。野々市明倫高校DXプロジェクトによるAI生成作品など、教育機関との連携も深めました。
・野々市の魅力を再発見: 野々市市内54町会の魅力をコミカルに描いた作品や、KITが所蔵する科学的発見の原典初版コレクション(ニュートン等)をデジタル化した『知の宝 工学の曙』など、本学の資産を地域に還元する展示も行われました。
展示作品紹介
「松林研究室の地方創生研究活動の実績紹介」
松林研究室が地方創生イベントとして過去に企画、運営した「竪町colorload2018」「金沢5G Gate MIMASSI」「空海が見つけた見附島Ⅱ」のPR動画を紹介し、「ののいち22世紀デジタル美術館②」の開館に至る経緯と目的を説明。

<特別展示>
1. 岡本太郎 川崎市岡本太郎美術館
松林研究室の4年生2名(島崎聖子さん、東ゆかりさん)が、神奈川県の川崎市岡本太郎美術館を実際に訪問、取材して最も印象深かった10作品を感想とともに紹介。

2. バンクシー GMOデジタル美術館
「ののいち22世紀デジタル美術館②」の趣旨にGMOインターネット株式会社の熊谷正寿代表にご協賛頂き、東京渋谷のGMOデジタル美術館で展示中のバンクシーの紹介コンテンツを特別に本イベント向けに再構成した作品。

3. 葛飾北斎 すみだ北斎美術館
松林研究室の4年生 宮前光希さんが、東京都墨田区のすみだ北斎美術館を取材してデジタル作品に編集したものをナレーションとともに紹介。

<能登復興支援作品>
4. 野々市市民の能登メッセージ 澤田翔吾
野々市市のクリエイターDJ108代表 澤田翔吾氏による作品。100以上の野々市市民から寄稿された能登応援メッセージをデジタル作品として表現。

5. Re born 輪島塗 福井浩一
石川県産業創出支援機構(ISICO)の福井氏が富山大学・安嶋研究室の学生と取り組む能登半島地震で被災した輪島塗を洗浄、補修して再生するプロジェクトを紹介するドキュメンタリー作品。

6. いつまでも能登は走り続ける 他 野々市明倫高校・DXプロジェクト
石川県立野々市明倫高校のDX・プロジェクト(担当教員:池田真彬 先生)の有志生徒が能登応援をテーマにAIを駆使して製作したオムニバス作品。

<野々市をテーマとした作品>
7. 知の宝 工学の曙 (ニュートン万有引力発見の書他) YDP (Yoshita Design Planning)
松林研究室の学生が地元デジタルクリエーターの葭田護氏(YDP代表)と企画、製作した作品。通常は非公開となっている金沢工業大学が所蔵する人類の主要な科学的発見、技術的発明の原典初版の貴重なコレクションの紹介。

8. NO/1 ココ NO.1 (野々市市5町会全部紹介しちゃいます!) ディーセントワーク
松林研究室の学生が地元AIデジタルクリエーターの中田明秀氏(ディーセントワーク社長)と企画、製作した作品。野々市市内54町会の町会長へのインタビューと各町会の現地取材に基づいて54町会の魅力をオムニバス形式で紹介するコミカルなインスタレーション。

9. 椿まつり 澤田翔吾
野々市市のクリエイターでDJ108代表 澤田翔吾氏による作品。野々市市の公式キャラクター「のっティ」の静止画をAIを使って動いて話すナビゲーターとして野々市市の市花である表現。

10. 北国街道野々市の市 北国街道野々市の市実行委員会
野々市市最大のお祭りのひとつである「北国街道野々市の市」の実行委員会(会長:樫田彰久氏、事務局長:小松靖久氏)が過去のお祭りの写真・動画をドキュメンタリー風に編集した作品。活発な野々市市の市民活動を紹介。

11. 野々市市の宝(御経塚保育園からあなたに) DK art café プロジェクト 倖田真弘
金沢工業大学のオナーズプログラムである地方創生・DK art caféプロジェクトのリーダー・棒田真弘さんが中心となって昨年企画、製作、投影した野々市駅プロジェクションマッピング作品のダイジェスト。御経塚保育円の園内風景や幼児の絵画作品等を紹介。

<地元アーティストの作品>
12. 春夏秋冬 DK art café プロジェクト 村上太一
本学の地方創生・DK art caféプロジェクト所属のメディア情報学科2年生・村上太一さんが制作。AIを駆使したデジタル映像で子供向けの動植物キャラクターで日本の四季を表現した作品。

13. Photographs as Dresses × Illustration (Flower Dress Series)やちゅうな
石川県と東京都を拠点に世界で活躍するイラストレーターのやちゆうな氏の作品。自然の花々をそのままドレスとして纏う愛らしく美しい女性のイラストを中心としたインスタレーション。

14. Digital Sculpture 金沢工業大学・村山研究室 林柊佑
金沢工業大学のオナーズプログラムである地方創生・DK art caféプロジェクトのリーダー・棒田真弘さんが中心となって昨年企画、製作、投影した野々市駅プロジェクションマッピング作品のダイジェスト。御経塚保育円の園内風景や幼児の絵画作品等を紹介。

15. デジタル作品集 野々市明倫高校藝術部
石川県立野々市明倫高校の藝術部の過去の生徒作品(立体彫刻、絵画他)を紹介するインスタレーション。

<初展示>
「宇宙が私を映す」 《BROCKEN CIRCLE | 影がアーチストになる瞬間》 長谷川章
日本を代表するデジタルアーティストであり、プロジェクションマッピングの創始者として知られる長谷川章先生の最新作。幾重にも重なる躍動するプロジェクションアート画面と鑑賞者の能動的な参加により映し出される影が合わさって完成する参加型の作品。子供さんを中心に大人気の作品となりました。

厳正なる審査と表彰
美術監修の長谷川章氏を委員長とする審査委員会および来場者投票により、以下の作品が選出され、閉会式にて表彰されました。
【最優秀賞】
『Digital Sculpture』:林柊佑(金沢工業大学・村山研究室)
【オーディエンス賞】
『Re born 輪島塗』:福井浩一(富山大学)
今後の展望:データに基づいた「にぎわい」の創出へ
松林研究室では、2024年に実施した調査で「野々市市に魅力的な観光地が不足している」という課題を抽出。それを受け、12月のプレイベント(ドローンダンス等)を経て今回の美術館開館へと繋げました。
今回の実証実験により、デジタル技術を活用した施設が高い顧客ニーズを持つことが数値で裏付けられました。この研究成果を基に「野々市市の新名所」としての定着を目指して、テクノロジーを駆使した地方創生のモデルケースの構築が期待されています。
【開催概要】
主催:金沢工業大学 経営情報学科 松林研究室
協賛:GMOインターネットグループ、さくらホームグループ、日本エージェンシー、北菱電興、塩谷建設
後援:野々市市、野々市市教育委員会、学びの杜・ののいちカレード、北國新聞社、金沢工業大学
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