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【金道研究室の学生5名が学生奨励賞受賞】
情報処理学会「第88回全国大会」で
一般社団法人情報処理学会「第88回全国大会」が2026年3月6日(金)から8日(日)まで愛媛県の松山大学文京キャンパスで開催され、情報工学科 金道敏樹 研究室の学生5名が学生奨励賞(Student Encouragement Award of IPSJ)を受賞しました。
情報処理学会全国大会学生奨励賞は、学生セッションで発表された学生会員の中から座長裁量で優秀な発表に対して贈呈される賞です。
【学生奨励賞を受賞した各発表の概要】
◯川の流れのように交通流を把握する-オプティカルフローを用いた交差点の交通流解析-
発表者:堀内 晴貴 他
交通死亡事故の50%は交差点で発生している。特に、信号無視、急な進路変更、無理な右左折といった運転行動は、他の車両や歩行者に危険を及ぼす要因となっており、客観的かつ継続的に観測・評価する手法が必要である。本研究は、道路上で起こる危険を道路管理者が短時間で把握することを目的とする。歩道橋のような高所から俯瞰して撮影した交通映像に対してオプティカルフローを適用し、道路上の車が形作る鮮やかな交通流を川の流れのように可視化した。この技術により実時間の100分の1程度の時間で確認することが可能となった。
◯ グリーンレーザを用いた航空レーザ計測の測深限界を可視化する
発表者:下川 舜 他
航空レーザ測深(ALB)は、船舶による計測が困難な浅海域や河川における水底地形の測量に有効な手法である。しかし、その計測可能水深は水の濁度に大きく依存しており、現行の運用ではこの汚濁状況を定量的に評価する仕組みが確立されていなかった。我々はこれまでに、従来はノイズとして除去されていた水中反射の反射強度を活用し、レーザの減衰長を算出する手法を提案してきた。本研究では、水中反射と水底反射の性質の違いを識別するために、疑似競合ネットワーク(QCNet)を採用し、水底面を精度よく抽出する汚濁推定の自動化と測深限界の可視化を行った。
◯家のカギの開閉音から施錠状態を通知する安心アプリ
発表者:的場 渓太 他
外出中に家のカギを閉め忘れたのではないかと不安になることは、 多くの人が一度は経験する。私たちは、この不安を解消することを目指して、 玄関のカギを対象にした外出先でも開錠・施錠を音で確認できるアプリケーションの開発を検討した。カギの操作時に発生する「ガチャン」「カチャ」といった衝撃音を対象に、1D-CNNを用いた識別実験を行い、5件の住居から採取した200個のデータセットを用いた一つ抜き交差検証において平均識別正答率99.0% を達成した。さらに、モデルの内部挙動を解析し、畳み込み層がカギの衝撃音発生箇所に強く反応していることを可視化により確認した。
◯スマホ動画を用いた新入生キャンパス案内システムの試作
発表者:角田 想 他
よく知られている道案内システムGoogle Mapsには、地図情報の更新が難しく、縁日等の臨時イベントの道案内ができないという課題がある。我々は、縁日等の短期間イベントにも対応できるタイムリー性、導入コストが低い、時間と労力のかからないシステム操作、この3つを重視した道案内システムを検討している。今回我々は、本技術を用い、金沢工業大学情報処理サービスセンターとの協力のもと、スマートフォン動画を用いた新入生向けキャンパス案内システムを検討した。画像地図とユーザ画像の特徴点マッチングにより、約50cm 程度の誤差で位置推定が可能であることを確認した。また、並列処理と特徴点フィルタリングの導入により、実時間での道案内に対応可能な処理速度を実現した。
◯医学生向けがん診断学習支援システムの検討
発表者:伊藤 壮亮 他
医学生向けの学習支援サービスは事業化されたものがあるものの、病理医診断の演習を支援する教育システムはない。本研究の目的は、医学生のがん診断能力をさらに向上させる教育支援を実現することでこの課題の解決を試みる。病理画像に対して、がんらしさおよび正常らしさを定量的に評価できる情報密度法を用いて、典型的ながん及び正常領域とそうでない領域との区別を学習できる方法を構築した。我々が試作したシステムは、がんもしくは正常と明確に判別可能な比較的容易な診断課題から、徐々に判断が困難な診断課題へと段階的に学習できる機能を実現している。
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