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【国際論文誌に学術論文2編同時掲載】
珍しい蛍光機能を持つ新材料を発見。岡田豪研究室

2026/3/3 NEW

大学院工学研究科 バイオ・化学専攻博士前期課程1年の青木美歩さんとバイオ・化学部 環境・応用化学科4年の能川春菜さん (岡田研究室所属)がそれぞれ執筆した論文2編が国際論文誌の「Sensors and Materials」にオンライン掲載されました。

Sensors and Materialsは1988年に創刊されたセンサ技術と関連材料を対象とする月刊の査読付きオープンアクセス学術誌で、センサの原理、材料、デバイス、応用システムに関する研究成果を広く掲載しています。

論文が掲載された大学院1年の青木美歩さん(写真左)と学部4年の能川春菜さん(写真右)

青木さんの研究では、無機化合物Ca2P2O7に着目し、微量のEu3+を添加することでラジオフォトルミネッセンス(RPL)特性が発現することを見出しました。RPL は放射線計測に用いられる希少な蛍光現象であり、その理解の深化や新規応用の開拓には、材料探索に基づく知見の蓄積が不可欠です。青木さんは本材料を用いることで、少なくとも 1 Gy 以上の放射線量を測定できることを示し、放射線治療における線量評価の精度向上に寄与し得る重要な成果を得ました。

能川さんの研究では、Euを添加したCaSiO3に着目し、この材料が RPL 特性を示すことを明らかにしました。さらに、発光強度の線量依存性や繰り返し読み出しに対する安定性など、放射線計測に関わる各種特性を詳細に検証しました。その結果、RPL によって材料中に記録される情報は極めて高い安定性を持つことが示され、長期的かつ高精度な放射線量評価に利用できる可能性が示唆されました。この成果は、被ばく線量のより正確な把握を通じて、健康影響評価の高度化にも寄与すると期待されます。

【青木さんのコメント】

本論文は私にとって初めての学術論文であり、研究活動における重要な一歩となりました。研究成果を社会へ発信できたことに、責任と喜びを実感しました。試行錯誤を重ねながらデータの解釈や議論を深める中で、仮説が結果によって裏付けられた瞬間や、新たな疑問が生まれる瞬間に、研究の奥深さと魅力を改めて強く感じました。本成果は、日頃より丁寧にご指導くださった先生方のご助言の賜物であり、心より感謝申し上げます。今後も継続的に研究成果を投稿できるよう、一層精進してまいります。

【能川さんのコメント】

このたび、研究成果が国際学術誌Sensors and Materialsに掲載されましたことを、大変光栄に思います。実験が思い通りに進まないことも多くありましたが、試行錯誤を重ねる中で得られた結果が一つの形となり、大きな達成感を感じています。仮説を立てて検証を重ね、現象の理解を深めていく過程こそが研究の醍醐味だと感じました。本成果が高精度な放射線量評価の実現に寄与することを期待するとともに、今後も材料研究に真摯に取り組んでまいります。

【青木さんの論文】

タイトル:
Characterization of Radiophotoluminescence Properties of Eu-doped Ca2P2O7

著者:
Miho Aoki, Hidehito Nanto, and Go Okada
Sensors and Materials, Volume 38, Number 2(1) (2026)
Published: February 6, 2026
https://doi.org/10.18494/SAM6001

【能川さんの論文】

タイトル:
Effect of Eu Doping on the Radiophotoluminescence Properties of CaSiO3

著者:
Haruna Nogawa, Hidehito Nanto, and Go Okada
Sensors and Materials, Volume 38, Number 2(1) (2026)
Published: February 6, 2026
https://doi.org/10.18494/SAM6029

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