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【プレゼン動画あり】
大学院 建築学専攻 博士前期課程1年 松浦 瑞歩さんが「珠洲市おためし滞在拠点デザインコンテスト」で学生賞受賞

2026/2/26 NEW

金沢工業大学大学院 建築学専攻 博士前期課程1年の 松浦 瑞歩さん(宮下智裕 研究室)が、「珠洲市おためし滞在拠点デザインコンテスト」(審査員長:建築家 坂 茂 氏)において、作品 「今に、居てしまう、えんなかの滞在拠点」 を出品し、学生賞を受賞しました。

「珠洲市おためし滞在拠点デザインコンテスト」で学生賞を受賞した松浦 瑞歩さん

コンテストについて

本コンテストは、石川県珠洲市で“はじまる・つながる・すずぐらし”をテーマに、地域での新しい滞在のあり方を提案するデザインコンテストです。学生だけでなく社会人も広く参加し、多彩なアイデアが集まります。

審査員長は世界的に活躍する建築家 坂 茂氏が務めています。

受賞理由

審査員からは、次の点が高く評価されました。

・「珠洲での里山暮らしの日常が建築に落とし込まれている」

・「能登の民家に見られる土間や囲炉裏裏といった空間を、現代の暮らしへアップデートした提案」

・「珠洲の暮らしをゆっくり、穏やかに楽しめる建築」

これらの観点から、学生ならではの視点と地域理解の深さが評価され、学生賞の受賞につながりました。

応募のきっかけ

松浦さんは、 GAPPA noto(北陸建築学生仮設住宅環境支援プロジェクト)※の活動を通じ、門前町の住環境改善やコミュニティ形成支援に携わってきました。

その活動中に本コンテストの存在を知り、興味を持ったことが応募の出発点でした。

初めて珠洲市を訪れた際、坂 茂氏が手掛けた「潮騒レストラン」で行われていた地域交流会に参加し、地域住民と自然な交流が生まれました。本来は日帰りの予定でしたが、知り合った住民宅に泊まることになり、珠洲の「人の温かさ」や「自然の豊かさ」を深く感じたといいます。

この体験から、

「提供された観光ではなく、自分が感じた“珠洲そのものの魅力”を味わえる滞在拠点をつくりたい」

と考え、コンテストへの応募を決意しました。

※GAPPA noto 北陸建築学生仮設住宅環境支援プロジェクト

令和6年能登半島地震の被災地に建設された仮設住宅地において、居住者の方々の安らぎのある住環境と豊かなコミュニティの形成を支援することを目的に、北陸三県の建築系学科のある大学・高専の研究室を単位としたチームが連携して2024年5月に発足した学生による支援団体
(会長:金沢工業大学 建築学部 建築デザイン学科 竹内申一教授)


受賞作品「今に、居てしまう、えんなかの滞在拠点」概要

松浦さんの作品は、珠洲で出会った風景や暮らし、そして体験した人々とのつながりを読み取り、“今この瞬間の心地よさをそのまま受け取れる場所” を建築としてかたちにしたものです。

松浦さんの受賞作品「今に、居てしまう、えんなかの滞在拠点」<br>クリックでPDFが開きます

■ コンセプト

作品パネルでは、里山に広がる畑の風景や訪れる人々の姿とともに、珠洲で深く感じた「自然と人の時間がゆるやかに混ざりあう感覚」が表現されています。

奥能登では囲炉裏のことを「えんなか」と呼びます。松浦さんは、冬から春にかけての長い屋内生活の中で団欒の場となってきた能登特有の関わり方を踏まえて提案を行いました。

■ 珠洲での体験を反映した空間テーマ

パネル中央部分には、松浦さんが珠洲で見た「生活の記憶」や「土地の気配」が紹介されており、これらが設計の要素として組み込まれています。

例:

・深い山の気配:静けさの中で耳を澄ませる体験

・段々畑に残る暮らしの跡:地形や石垣が生む独特の風景

・“えんなか”の文化:囲炉裏を中心に人が寄り集まる生活文化

これらの観察が、建物の素材選択や配置、空間構成に反映されています。

■ 空間構成

作品の中心には、囲炉裏を据えた円形に近い“えんなか空間” が配置されています。

・囲炉裏を中心に人が自然に向き合い、会話が生まれる空間

・室内と屋外が縁側的に連続し、風景や気配を感じながら過ごせる

・建物外周には小さな居場所が点在し、滞在者それぞれが好きな時間を過ごせる構成

珠洲らしい「屋内外が緩やかにつながる暮らし」をそのまま滞在拠点として再解釈した建築です。

■ 提案する過ごし方

作品パネル右側には、滞在者の過ごし方がイラストと共に描かれており、

例えば次のような時間が想定されています。

・囲炉裏を囲んでの調理・団らん

・里山で採れた食材を味わうひととき

・縁側で景色を眺めながら過ごす静かな時間

・地元の人々と自然に生まれる交流

珠洲で松浦さんが体験した「日常の豊かさ」が、そのまま滞在者にも広がる構成となっています。

■ 松浦さんのプレゼン動画

本コンテストでは、一次審査通過者は、作品に込めた想いや、特にアピールしたい点など、図面やテキストだけでは伝えきれない部分も含めてたプレゼン動画を提出。審査を経て受賞作品が決定しました。

松浦さんが提出したプレゼン動画



「珠洲市おためし滞在拠点デザインコンテスト」WEBページより

「珠洲市おためし滞在拠点デザインコンテスト2025」受賞作品が決定しました(2026/02/18)
https://sutto-zutto.com/trialhouse_contest/news/720/

・応募者:133名
・一次審査通過者:41名
・受賞者:17名



(関連ページ)

GAPPA noto〔北陸建築学生仮設住宅環境支援プロジェクト〕

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