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【第20期 野々市市民カウンセラー連続講座を開催】
学びの杜ののいちカレードで、10月4日(土)・11日(土)の2週にわたって

2025/10/18 NEW

金沢工業大学心理科学研究所と野々市市福祉総務課は、10月4日(土)・11日(土)の2週にわたり、野々市市民と野々市市に関係する方々を対象とした「第20期・野々市市民カウンセラー連続講座(以下 本講座)」を学びの杜ののいちカレード(野々市市立図書館) 研修室にて開催しました。

本講座は金沢工業大学心理科学研究所と野々市市福祉総務課との協働により、平成26年度以降 継続的に実施し、今年度で12年目を迎える人気の講座。「周囲の人の話や悩みを聴くコツ(傾聴)」や「難しい相談に際し紹介先となる専門窓口」を学びます。

学びの杜ののいち カレード 研修室・会議室:会場での様子

運営は、金沢工業大学大学院臨床心理学専攻の教員4名(大矢寿美子教授、松本圭教授、山上史野准教授、伏島あゆみ准教授)と、大学院生11名、そして野々市市 健康福祉部福祉総務課からは健康福祉部次長(福祉総務課長 兼任)をはじめとして3名のスタッフが担当しました。

講座は大矢教授による挨拶から始まり、市民カウンセラー連続講座を開始した背景と役割、期待される効果に加え、受講者にとって「他者の話を傾聴できるようになる」、「知り合いが増える」、「社会資源の知識が増える」、「受講者自身が幸せになる」等のメリットと、傾聴スキルの重要性について説明がありました。

今回も大学院生が中心となってロールプレイのパートを進行しました、大学院生とっても、より実践的な実習の場となっています。

大矢教授の開講挨拶

 大学院生によるロールプレイ開始前の良い例/悪い例の実演

 ロールプレイ風景:両日で計4回実施

山上准教授の講義風景    松本教授の講義風景

 健康福祉部次長より修了証を授与

そして、第20期は20代~80代までのあわせて21名(市民19名と金沢工業大学の学生2名)が修了証を受領し、当講座を終えました。

【講座の内容】

「傾聴」とは、コミュニケーションの基礎となるもので、カウンセリングだけでなく普段の生活や仕事、またプロジェクト活動など、人と関わるすべての活動において活用できるスキルです。当講座では「傾聴」に関する心構えを学ぶだけでなく、傾聴スキルを磨くため、実際に聴き手・話し手に分かれて「ロールプレイ」を重点的に行うことを特徴に掲げ、望ましいコミュニケーションのスキルをステップバイステップで学習できるようにしています。

また、班替えによって、毎回、異なる受講者同士でロールプレイを行うため、受講者にとっては異なる立場や年齢層の市民と触れ合う機会にもなっています。特に、普段、地域の方と触れ合うことの少ない学生によっては、世代や分野を超えた交流を深める貴重な経験の場にもなっています。

加えて、日常的な「よいこと」を記録するというウェルビーイング向上のためのワークを通した学びや、相談を受けた際に適切な窓口につなげるため、野々市市の担当者による社会資源情報(こころの悩み、多重債務、子育て・教育、DV、いじめ、自殺対策などの各種相談窓口等)の紹介を通して、幅広い知識を得ることができます。

更に、より理解を深めてもらえるよう、第15期からは学びの杜ののいち カレード(野々市市立図書館)にある関連蔵書の紹介もしています。

【講座参加者の感想】

実際に、第20期の受講者からは、以下のような感想や意思表明が寄せられました。

・共感や理解の難しさを感じました。

・ロールプレイを行うことで、聞き手、話し手のどちらもより深く理解することができた。

・自分は相手の話を聴いているようで聴いていない。自分の言いたいことや聞きたいことを話しているのだと気づいた。

・親としての気持ちや高齢者の気持ちを理解する良い機会だった。

・「よいこと」記録のワークはポジティブ思考でいられるように、続けていきたいです。

このように、受講者は普段意識しない「話を聴く心構え」や「傾聴スキル」を体験し、日々の「よいこと」記録のワークを行うことで社会生活におけるウェルビーイング意識の高まりを実感できる講座となりました。

また、以下のような声もありました。

・講義を受けてロールプレイを行うことで、実践的に理解を深めることができた。

・年代の違う方との交流の場としても楽しく過ごすことができた。

・傾聴を実践していくために、上級編も考えていただきたい。

これらを受けて、今後もより多くの関係者や各種団体と協働して社会貢献(他者の役に立てる)に繋がる学びの場となるようブラッシュアップしていきます。

【野々市市民カウンセラー連続講座のこれまでの活動】

本講座(第1期)は、平成26年度に野々市市と金沢工業大学が連携して発足した事業で、「傾聴」についての講座の実施により、傾聴力を身に付けた人材=市民カウンセラーを野々市市内に増やすことで、野々市市をさらに住みよいまちにすることを目的としています。過去は4~5日間に渡る日程で、野々市市庁舎や金沢工業大学で年に2回開催していました。新型コロナ感染症拡大に伴い、令和2年度は中止となりましたが、これを機に令和3年度からは野々市市にぎわいの里ののいち カミーノに会場を移し、アクリル板設置や換気ができ、密にならない等の感染予防が可能な1Fホールにて再開しました。令和4年度からはコロナ前と同じ年2回の開催に戻し、その後も学びの杜ののいち カレード(野々市市立図書館)研修室や野々市市役所ホール椿といった新たな会場も加え、野々市市との更なる関係性を深めています。

第1期から第20期終了までの総修了者数は、これで436名となり、野々市市の総人口の約54,500人に対し、0.8%を占めるに至りました。これからも市民間の自然な援助の活性化や孤立・孤独の予防に貢献できるよう当講座を継続していきます。

(関連ページ)

「第19期 野々市市民カウンセラー連続講座」を学びの杜ののいちカレード にて2025年7月12日(土)・19日(土)に開催(2025/7/28)