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【世界的研究開発機関のイノベーション創出手法を実践的に学ぶ】
「2025 SRI's Introduction to Innovation Workshop」を学生・教職員を対象に開催

2025/9/11 NEW

ワークショップには金沢工業大学の学生・教職員のほか、併設校の国際高専の教員も参加した

金沢工業大学では、SRI International認定ワークショップ「2025 SRI's Introduction to Innovation Workshop(I2I Workshop)」を2025年8月26日(火)から9月5日(金)まで、大学院生と学部生、教職員を対象に、扇が丘キャンパスのChallenge Lab(Aコース、Bコース、教職員コース)と23号館パフォーミングスタジオ(Cコース、Dコース)、コミュニケーションスタジオ(Eコース)にて実施しました。

【SRI International認定ワークショップについて】

SRI Internationalは、スタンフォード大学の「スタンフォード研究所(Stanford Research Institute)」がスピンアウトして設立された世界的な研究開発機関です。コンピュータのマウスや、iPhoneに搭載されたSiri、インターネットのURLなど、私たちの生活を一変させた数々の革新的なイノベーションを創出してきました。

こうしたイノベーション創出手法を実践的に学ぶのがSRI International認定ワークショップです。金沢工業大学では2014年度から行われ、2日間参加することで修了証が授与されます。

今年度は、SRIから具体的なファシリテーション手法の実技指導を受けた金沢工業大学・国際高等専門学校の19名の”SRI I2I認定ファシリテータ”が5コースを担当しました。さらにSRI Internationalからも講師2名が来日し、1コースを担当(Aコース)、計6コースで実施されました。

【ワークショップの概要】

参加者は、「エレベーターピッチ」と呼ばれる、自分自身の研究内容や実現化したいアイデアを1分間でかつ口頭のみで伝えるプレゼン手法の準備を事前課題として取り組み、一人ずつ順番に発表します。
学科や学年が異なる参加者全員が、自分のイノベーションのアイデアを発表した後、参加者による投票で、上位3~4人を選出し、そのアイデアを発表した学生をリーダーとして3~4チームを結成します。
その後は、チーム単位での活動となり、価値創造フォーラムという名称の発表を、各チームが3回ずつ実施します。価値創造フォーラムは、チームによるプレゼンテーションと講師や他チームによるフィードバックで構成され、回を重ねるごとにプレゼンテーションの内容を見直していくSRIインターナショナルの手法です。プレゼンテーションに対しては、まず「グリーンハット」として良かった点など肯定的なコメントをします。次に「レッドハット」として“but”という否定的ワードを使わず改善点についてコメントします。さらに、「顧客の目」として、より知りたい点や競合との比較についてコメントします。これらの手法により、常に建設的なフィードバックを行う姿勢を身に付けることができる点が、SRI-I2Iワークショップの大きな特徴です。

当ワークショップは例年、夏期と春期で年2回開催しています。Googleスライドを使用するなど、オンライン実施で得たノウハウも取り入れた形でより効果的な運用方法となるよう実施。また従来どおりホワイトボードと付箋を使用してワークを実施するコースもあり、それぞれの学生にあった形で柔軟に対応できたワークショップとなりました。

また当ワークショップは金沢工業大学「特別奨学生」(リーダーシップアワード生)の参加が必須となったため、申込開始当初から多くの申し込みがあり、数日ですべてのコースが定員に達しました。

Aコース(英語)については、来日したSRIインターナショナルの講師がファシリテータを担当しました。Aコースは英語に抵抗がない学生が多く、積極的に講師とコミュニケーションを取り、意欲的にプレゼンテーションする様子が見られました。また英語があまり得意ではない学生も臆することなく積極的にコミュニケーションをとり、しっかり英語でも発表していました。金沢工業大学の充実した英語教育による基礎力の高さがうかがえるワークショップとなりました。

Aコース終了後の8月28日(木)から9月1日(月)まで、認定ファシリテータとなるための研修(T3)が実施され、今回は新ファシリテータ候補の5名の教員が受講しました。参加教員からは、「レクチャーとファシリテーションの違いを理解した」「積極的に学生に発言させる雰囲気作りに注力する必要性がある」といった声が聞かれました。また、提示される資料の内容も毎回ブラッシュアップされており、日本の学生にとってわかりやすい説明や事例になるようにSRI講師が教員に意見を求める場面も見られました。

来日したSRI講師による認定ファシリテータ研修の模様

9月2日(火)・3日(水)は、Bコース(英語)、Cコース(日本語)を実施しました。T3研修を受けた5名の教員が分かれて、新ファシリテータ候補3名(2名)+既存ファシリテータ1名でSRIの講師監修のもと、それぞれのコースを担当しました。B・Cコース終了後には、T3の修了式が行われ、新たに5名の教員が正式に”SRI I2I認定ファシリテータ”に認定されました。これで金沢工業大学と併設校の国際高等専門学校の認定ファシリテータは計45名となりました。

また、今回もKコースとして、教職員向けのSRIワークショップを9月4日(木)・5日(金)の2日間、開催しました。これは昨年度入学生から3年次必修となった「イノベーション基礎」科目の担当教員の候補となりうる教員を対象に、連携強化などを目的として実施されました。

Aコース(英語)8/26(木)~8/27(金):19名
(内教員5名)
Bコース(英語)9/2(火)~9/3(水):17名
Cコース(日本語)9/2(火)~9/3(水):24名
Dコース(日本語)9/4(木)~9/5(金):19名
Eコース(日本語)9/4(木)~9/5(金):20名
Kコース(日本語)9/4(木)~9/5(金):22名
(教員10名・職員12名)

SRI I2I認定ファシリテータ

森本 喜隆 教授 KIT工学部 先進機械システム工学科
宮里 心一 教授 KIT工学部 環境土木工学科
高橋 真木子 教授 KITイノベーションマネジメント研究科
松下 臣仁 教授 ICT国際理工学科
津田 明洋 准教授 ICT国際理工学科
泉屋 利吉 常任理事 法人部長・財務部長
中沢 実 教授 KIT情報理工学部 情報工学科
山本 知仁 教授 KIT情報理工学部 知能情報システム学科
鈴木 亮一 教授 KIT情報理工学部 ロボティクス学科
河合 宏之 教授 KIT情報理工学部 ロボティクス学科
大澤 直樹 教授 KIT工学部 電気エネルギーシステム工学科
山岡 英孝 教授 KIT基礎教育部数理・データサイエンス・AI教育課程
平本 督太郎 教授 KIT情報デザイン学部 経営情報学科
金野 武司 准教授 KIT情報理工学部 知能情報システム学科
伊藤 周 教授 ICT国際理工学科
武市 祥司 教授 KIT情報デザイン学部 環境デザイン創成学科
ライト ブレント 准教授 KIT基礎教育部 修学基礎教育課程
ウッド マーティン 教授 KIT基礎教育部 英語教育課程
河並 崇 教授 KIT情報理工学部 情報工学科
渡邊 伸行 教授 KITメディア情報学部 心理情報デザイン学科
福江 高志 准教授 KIT工学部 機械工学科
岡田 豪 准教授 KITバイオ・化学部 環境・応用化学科
小川 隼人 准教授 ICT国際理工学科
藤本 雅則 教授 KIT工学部 機械工学科
谷田 育宏 准教授 KITバイオ・化学部 環境・応用化学科
村尾 俊幸 教授 KIT情報理工学部 ロボティクス学科
田中 泰司 教授 KIT工学部環境 土木工学科
村山 祐子 教授 KITメディア情報学部 メディア情報学科
大澤 潤 講師 KIT情報デザイン学部 環境デザイン創成学科
伊丸岡 俊秀 教授 KITメディア情報学部 心理情報デザイン学科
中野 一也 教授 KIT工学部 環境土木工学科
野村 一樹 講師 KITバイオ・化学部 生命・応用バイオ学科
狩野 剛 准教授 KIT情報デザイン学部 環境デザイン創成学科
渡辺 秀治 准教授 KIT基礎教育部数理・データサイエンス・AI教育課程
出原 立子 教授 KITメディア情報学部 メディア情報学科
下川 雄一 教授 KIT建築学部 建築デザイン学科
竹井 義法 教授 KIT情報理工学部 ロボティクス学科
平田 宏聡 教授 KITバイオ・化学部 生命・応用バイオ学科
藤田 昂志 講師 KIT工学部 航空宇宙工学科
久島 康嘉 講師 ICT国際理工学科
瀬戸 雅宏 教授 KIT工学部 先進機械システム工学科
池永 訓昭 教授 KIT工学部 電気エネルギーシステム工学科
立花 達也 講師 KIT基礎教育部 修学基礎教育課程
森 貴之 講師 KIT工学部 電子情報システム工学科
原 健一 講師 KIT基礎教育部 修学基礎教育課程

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