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【特別授業レポート】
AIと対話して、研究力&学びが広がった!
小松高校で最先端授業「課題研究の生成AI活用術特別授業」

2025年6月18日(水)、石川県小松市の石川県立小松高等学校にて、金沢工業大学 情報理工学部 知能情報システム学科の山本知仁教授が、SSH(スーパーサイエンスハイスクール)の活動の一環として、「高校での学びを加速する生成AI の活用法-プロンプトエンジニアリングを中心として-」の特別授業を行いました。
小松高校では平成18年からの15年間(1期~3期)にわたり、SSHに取り組んでおり、令和3年度からは第4期の「SSH指定校(実践型)」に採択されています。今回はその活動の一環で、「探究学習に生成AIを活用する」をテーマに、高校生の学びをもっと深く、もっと楽しくするためのヒントがたっぷり詰まった授業でした。

■生成AIってどう使う?プロンプトエンジニアリングに挑戦!

授業では、生成AIの仕組みやAIの能力を最大限に引き出す「プロンプトエンジニアリング」について、山本教授が実例を交えて解説しました。生徒たちは自分の端末でGoogle Geminiを使い、プロンプトを入力しながらAIとの“対話”を体験しました。

■たった数秒で問題を解く!?AIのスピードにびっくり!

東京大学の過去の入試問題を解くには、どのくらい時間がかかるのか?人間の場合、問題を読み、何が求められているか理解するだけでも数分は必要と思われるところに、生成AIはわずか数秒で回答を表示。さらに「類似問題を作って」と入力すると、問題と解説がすぐに生成され、生徒たちはそのスピードと正確さに驚きの声を上げていました。また、英会話の練習相手として、何度も何度も“壁打ち相手”のように向き合うこともできることから、生徒たちは「AIをうまく使えば、自分の力をもっと伸ばせる!」という可能性を実感していました。

■AIはテキスト以外にも図や絵、プログラミング、音楽も作っちゃう!

生成AIは、文章だけでなく、図やイラスト、プログラムコード、さらには音楽まで作れます。Pythonのプログラミングコードや即席で音楽生成を実行すると、生徒たちはAIの技術に魅了されていました。

■課題研究にもAIを活用!

生徒たちは、自らが取り組む課題研究についても、積極的にAIに相談していました。「課題の設定方法は?」「どんな分析ができる?」「必要な情報は?」「分析プログラムを教えて」など、具体的な問いをプロンプトとして入力し、AIからの提案を受けながら探究活動が深められることを実感しました。AIとの対話を通じて、思考が整理され、新たな視点が得られる体験は、まさに“学びを加速する”ものでした。

■AIリテラシーも忘れずに

授業では、生成AIを安全かつ適切に活用するためのリテラシー教育も行われました。個人情報の取り扱いや、AIが生成する画像・音楽・動画などの著作権、そしてAIの限界についても学び、利用者が主体的に判断する姿勢の重要性が強調されました。

■「やってみたい!」が止まらない!生成AIが刺激した探究心

生徒たちは生成AIを操作するプロンプトエンジニアリングの実践的な体験を通して、「課題研究でいろいろと活用できることがわかってよかった!」「音楽を生成するAIはぜひ使ってみたい!」「違う分析もやってみたい!」など、授業後にはたくさんの前向きな感想が寄せられました。

■生成AIの次なる挑戦 ― 動作データとロボティクスの融合

最後に山本教授から「生成AIはまだまだ進化の途中です。人間の動作データの活用が注目されており、今後はロボティクス分野でもAIが活躍するでしょう。将来、ロボットと一緒に生活する日が来るかもしれませんね。」と未来への展望が語られました。生徒たちは、AIと共に歩むこれからの社会を見据えながら、自らの学びをさらに深めていこうとする姿が印象的でした。

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金沢工業大学研究室ガイド 情報理工学部 知能情報システム学科 山本知仁 研究室

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