記事詳細

【大学院高信頼ものづくり専攻のチームが準優勝】
日本代表として参加した米国SAMPE学生ブリッジコンテストで

2025年5月19日(月)から22日(木)にかけて米国インディアナ州で開催された先端材料技術に関する国際学会、The Society for the Advancement of Material and Process Engineering(SAMPE)の学生イベントとして「FRP ブリッジコンテスト」が実施され、金沢工業大学大学院工学研究科 高信頼ものづくり専攻の学生チームが準優勝となりました。

会場入り口でCFRPブリッジを手にする高信頼ものづくり専攻チーム(左より谷山広太さん、酒井俊輔さん、田中幸佑さん)

本コンテストは、参加学生がCFRP(炭素繊維強化プラスチック)ブリッジの作製を通して、構造設計および成形方法等を工夫し、ものづくりの経験と設計能力を培うことを目的として開催されています。各国の国内・地方大会で優勝したチームが参加し、CFRPブリッジの強度試験のほか、材料や製作方法・設計方針をプレゼンテーションし、いかに軽量かつ規定荷重である10,000lbf(約4.5ton)に耐えるかにより順位を競います。

金沢工業大学大学院 高信頼ものづくり専攻の学生チームは、2024年9月に東京で開催された国内大会カテゴリーG(Open Design部門)で優勝し、日本代表として参加しました。昨年度に続く優勝とはならず、準優勝でしたが、2年連続、世界大会での入賞となる快挙を達成しました。

高信頼ものづくり専攻チームが参加したカテゴリーGは、Open Design部門とあるとおり、規定の長さ、高さを持つブリッジであれば、設計は自由。そのため、学生の自由な発想が反映しやすい反面、最も設計が難しい部門となっています。

高信頼ものづくり専攻チームはI形断面を有するブリッジを設計対象とし、薄いCFRPのシート(プリプレグシート)をどの位置にどのような角度で何層積層するかを計算して、大会に臨みました。さらに今回は昨年度優勝チームの重量736gに比べ238gの大幅な軽量化設計をおこない、498gのCFRPブリッジでの優勝を目指しましたが、規定荷重には届かず、5,479lbf(約2.5ton)で破壊しました。ただし、同カテゴリーに参加した南カリフォルニア大学やワシントン大学などの4チームを含め、いずれも規定荷重に届かず、南カリフォルニア大学チームが高信頼ものづくり専攻チームをわずかに上回る5,694lbfで破壊したため、高信頼ものづくり専攻チームは準優勝となりました。

また今大会では別のカテゴリーにおいても日本の大学チームが健闘し、カテゴリーB(炭素繊維/アラミド部門)では日本大学チームが3位、カテゴリーC(リサイクル炭素繊維部門)では東京大学チームが準優勝と、いずれも入賞する快挙を達成しています。

高信頼ものづくり専攻チームは、いずれも大学院高信頼ものづくり専攻で複合材料を研究テーマとした学生で、斉藤博嗣教授の研究室に所属する博士前期課程(修士課程)2年の酒井俊輔さん(リーダー)、谷山広太さん、田中幸佑さん、博士前期課程(修士課程)1年の堀裕貴さん(都合により大会当日は欠席)の4名。今回、彼らが作製したCFRPブリッジは、2024年9月の国内大会で優勝したブリッジをもとに、さらに数値シミュレーションにより設計を行い、特に軽量化を目標に改良を重ねてきました。

国内大会同様、CFRPブリッジの成形にあたっては、金沢工業大学 革新複合材料研究開発センター(ICC)の研究員による技術サポートを受けたことも今回の成功の大きな要因となりました。

また大会終了後には日本の大学チームのメンバーで祝勝会をおこない、ICCの鵜澤潔所長をはじめ、大学間での教員ならびに学生の交流を深めることができました。

会場で司会者から授与された賞状を手にする3高信頼ものづくり専攻チーム(左より田中幸佑さん、谷山広太さん、酒井俊輔さん)

(関連ページ)

金沢工業大学研究室ガイド 工学部 機械工学科 斉藤博嗣 研究室

金沢工業大学 革新複合材料研究開発センター(ICC)

KIT金沢工業大学

  • Hi-Service Japan 300
  • JIHEE
  • JUAA
  • SDGs

KIT(ケイアイティ)は金沢工業大学のブランドネームです。

Copyright © Kanazawa Institute of Technology. All Rights Reserved.