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尾関健二教授、株式会社コラゾン、ぶんご銘醸株式会社の共同研究により 開発された米麹甘酒「A amasake」が7月1日より全国一斉発売。 市販の甘酒と比較し約6倍のレジスタントプロテインを含有

金沢工業大学応用バイオ学科の尾関健二教授、株式会社コラゾン(東京都新宿区)、ぶんご銘醸株式会社(大分県佐伯市)の共同研究により開発された米麹甘酒「A amasake」が、株式会社コラゾンから7月1日より全国一斉発売されます。米麹甘酒「A amasake」は、米麹由来の腸内環境の改善に役立つ難消化性タンパク質「レジスタントプロテイン」を高含有する特徴をもちます。

米麹甘酒「A amasake」<br>左から、100ml 500円(税込)/300ml 1,296円(税込)/720ml 2,160円(税込)

米麹甘酒「A amasake」の特徴

このたび発売する米麹甘酒「A amasake」は、忙しい毎日を過ごす人に向けた健康な心と体づくりを目的に、さらにベストパフォーマンスを支えるために、構想から6年もの月日をかけて誕生した、新しいコンセプトの米麹甘酒です。「A amasake」は、株式会社コラゾンの代表で国内の甘酒の特長を熟知した大村智則氏と、日本酒と甘酒研究の権威でもある金沢工業大学応用バイオ学科の尾関健二教授、九州で明治時代より酒蔵を営む、ぶんご銘醸株式会社の代表取締役の狩生孝之氏との共同開発により生まれました。

甘酒造りで第一に着目したのは、甘酒に含まれる難消化性タンパク質「レジスタントプロテイン」(以下RP)の働きです。RPとは米、酒粕などに含まれる、難消化性タンパク質のことで、コレステロールの低減機能、便通改善・肥満抑制効果といった機能性が知られています。

通常タンパク質は体内に入ると胃で分解されますが、このRPは分解されず、小腸へ移動して腸内環境を整えます。市販の甘酒にはRPが含有されていることが、尾関健二教授の研究により明らかにされています。人間の免疫細胞の60%から70%は腸内に存在しているため、RPをとることで、免疫力の向上が見込めます。

今回の共同研究により「A amasake」は、腸内環境を整える働きがあるRPを、市販の甘酒の約6倍含有させることに成功しました。RPを高含有していることにより、「A amasake」を飲むことで、体内で「腸活」(*1)が快適に行われる理想の状態にたどりつきました。さらに、米麹甘酒の主原料である「米麹」は、米と麹菌(国菌として認定された「アスペルギルス オリゼ」)を加えて造るため、体に有益な働きをする菌をとり入れる「菌活」につながり、健康な体づくりへと導きます。

尾関教授は、商品開発にあたってRPの含有量の調査・分析、RPを高含有するような製造方法の提案などを担当しました。甘酒には整腸効果があることがこれまでにわかっていましたが、今回の研究により、RPを多く含有する甘酒を1ヶ月飲用すると、角質水分量が高まり、善玉菌である腸内細菌の酪酸(*2)生産菌占有率が上昇し、腸内菌叢が大きく改善して免疫力が高まることがわかりました。なお、この研究結果については、日本醸造学会誌8号および健康誌『壮快』9月号(7月14日発刊)に掲載予定です。

開発STORY

米麹甘酒「A amasake」の誕生のSTORYは、株式会社コラゾン代表の大村智則氏の血中コレステロール値が高めだったことから始まります。当時、将来は成人病になるかもしれないと、不安を抱えていた大村氏が数々の血中コレステロールの抑制効果があると言われる食品を数々試した中で、出会ったのが「米麹甘酒」でした。飲み続けるうちに腸内環境の改善を体感。時を同じくして、金沢工業大学で日本酒醸造の研究やお米成分の組成研究をしている、尾関教授の研究論文(*3)との出会いがありました。そこには甘酒が持つ成分が血中コレステロール抑制に役立つという、研究結果が記されていました。大村氏は尾関教授を訪問、そして尾関教授に共同開発を願い出ました。

尾関教授と以前より親交のある、大分県で酒蔵「ぶんご銘醸」を営む蔵元の狩生孝之氏も加わり3人で2019年より商品開発をスタート。構想3年、開発3年と発売までの道のりは6年と険しいもので、米選びに始まり試作を重ねるも、想定した結果にはならず、プロセスの見直しを余儀なくされました。最終的には、現状の甘酒成分から腸活をより快適にできるような理想の状態へ飛躍させる論理と製法に辿り着きました。そのプロセスに沿って、特殊なお米選びを行い、製法・温度管理などを調整して試作を繰り返し、できあがったのが、「A amasake」です。

*1 腸活:バランスのよい食生活や適度な運動などによって、腸内環境を整えること。

*2 酪酸:肥満予防効果や免疫機能を整える効果のある短鎖脂肪酸のひとつ。

*3 論文:「市販甘酒中のレジスタントプロテインであるプロラミンの量の測定」(2021年10月 日本醸造協会誌掲載)。お米の中に含まれるタンパク質は、主食の中で蓄積して摂取されるが、難消化性のタンパク質(RP)は腸内において善玉菌活動の餌になり、腸の活動に大きな影響を与え、血中コレステロールの抑制が大幅に改善される効果を発見する内容を明らかにしました。

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