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情報工学科 河並研究室、一般社団法人FAP、合同会社DMM.comが共同開発したSTEAM教材が、プログラミングスクールで使用開始へ。ドローンのコントローラ開発や「おもちゃハック」を通してSTEAMを学ぶ
金沢工業大学情報工学科の河並崇准教授の研究室(専門 組込みシステム、IoT)は、一般社団法人FAP(石川県金沢市)、合同会社DMM.com(東京都港区)との共同研究で、STEAM教育とプログラミングに関する教材を開発してきました。この度、この教材と、河並研究室が独自開発した教材を使用したプログラミングスクールが10月から開講します。
共同研究の経緯、プログラミングスクールでの教材の活用
河並研究室、FAP、DMM.comの三者は、令和元年5月1日から共同研究を開始し、STEAM教育とプログラミングに関する教材開発を進めてきました(未来トップクリエーターの養成を目指すSTEAM教育に関する研究と教材の開発)。プログラミングを中心にSTEAM領域を同時に学ぶことができる教材を目指すもので、2020年度には「教育用ドローンを用いた教材開発」と「VRゲームコントローラを題材としたプログラミング教材の開発」を行いました。
2021年10月2日(土)に金沢ビーンズ(石川県金沢市鞍月5丁目158)でプログラミングスクール「ふれて!あそんで!学べる!プログラミングクラブ。」が新たに開講し、共同研究で開発した独自の教材などが用いられます。また、河並准教授、研究室の学生3名も講師として、北陸大学、金沢大学の学生講師とともにプログラミングスクールの運営に携わります。
共同研究で開発したドローンを用いた教材や、これまで金沢市キッズプログラミングスクールなどで展開していた「おもちゃハック」の教材などを使用します。
教育用ドローンを用いた教材(※共同研究)
ドローンの専用コントローラをブロックプログラミングが可能なカードサイズのマイコン「micro:bit(※)」で作り、ドローンでコースをクリアすることをめざす教材です。ブロックプログラミングとは、動作や条件などが記載されたブロックをつなげてプログラムを作成する手法のことで、文章を書かずともブロックをつなげることでプログラミングが可能です。河並研究室ではマイコン「micro:bit」で使えるドローン制御用のオリジナルブロックを開発しました。これにより、簡単にかつ自由自在にドローンのコントローラを開発することができます。
教材としては、複数の難易度のドローンコースを用意しており、これらのコースをクリアするために、ブロックプログラミングを使用して、最適なコントローラを開発します。micro:bitにはボタンなどが少ないため、ドローンのすべての動きを割り当てることはできません。どのように飛行するのか戦略をたてながら、コントローラにどう動きを割り当てるのか、組み合わせるのかを考えてプログラミングしていく教材になっています。現在、この教材を利用したコンテストも準備中です。
教材「おもちゃハック」(※河並研究室の独自開発)
STEAM領域の学びを目的として、おもちゃにマイコンなどを組み込んで改造する教材「おもちゃハック」を開発しています。過去に遊んだことのあるおもちゃに手を加えることで、子どもや大人の興味が持続し、学習意欲を高める効果があります。具体例として下記があります。
1.マイコンを使った鉄道玩具の自動運行
鉄道玩具にマイコンmicro:bitを組み込み、列車を自動運行させます。受講者は、光センサーを使って列車の位置を検出し、車両を止めるためのストップレールのレバーや分岐ポイント切り替えをサーボモーターで制御します。体験を通して、マイコンや光センサー、サーボモーターなどの挙動と実例を学ぶことができるほか、機械工作も行います。複数日に渡って学ぶコースや、上級者向けのコースでは、さらなる改造として、状態遷移図の作成や、2つの列車を互いに衝突させないように制御する方法などを学ぶことができます。
2.ぬいぐるみの改造
パペット(手人形)をマイコンと3つのサーボモーターで制御するというおもちゃハックです。マイコンの光センサーと加速度センサーに反応してサーボモーターを動かし、パペットに動きを与えるという改造を行います。中学生向けには、AIによる画像認識を組み込んだ内容の教材も作成しています。
プログラミングスクール「ふれて!あそんで!学べる!プログラミングクラブ。」について
「T-KIDSシェアスクール 金沢ビーンズ(明文堂 金沢ビーンズ 3Fイベントルーム)」内にて、2021年10月2日から開講されるプログラミングスクール。コースは2種類で、4歳(年中)~小学2年生までが対象で親子で参加する「ビギナーコース」と、小学3年~小学6年生(子どものみで参加可能)までが対象のアドバンスコースが用意されています。
金沢工業大学・FAP・北陸大学・金沢STEAM研究会らで作成する独自の教材を使用し、カリキュラムはロボットアーム、AI、ドローン、IoTなどのプログラミングに加えて、3Dプリンタを使用したものづくりなど多岐にわたる内容となっています。
◇オープン記念!体験会「まとめて習い事体験!「あそまなびフェス」」を実施
今秋の「T-KIDSシェアスクール 金沢ビーンズ」開校に先駆け、オープン記念イベントとして、そのプログラムを体験できるイベント「あそまなびフェス」が開催されます。
*日程 : 9月23日(木・祝)、25日(土)
*場所 : 金沢ビーンズ 3Fイベントルーム(石川県金沢市鞍月5丁目158)
*参加費 : 無料
*予約 : https://tkids.tsite.jp/kanazawa/
*プログラム : 「ふれて!あそんで!まなべる!プログラミングクラブ。」は、2回開催され、9月23日(木・祝) ①10:00~11:00(対象:年中~小学2年生対象、親子参加)、②13:00~14:00(対象:小学3年~小学6年生)のみとなります。
*主催:T-KIDS株式会社 / 協力:株式会社明文堂プランナー / 後援:金沢市、北國新聞社
※ micro:bit(マイクロビット)について
イギリスのBBC(英国放送協会)が主体となって作った教育向けマイコンボードです。英国では11歳〜12歳の子供全員に無償で配布されており、授業の中で活用が進んでいます。 日本でも、プログラミング必修化をきっかけに学校での導入が進んでいます。
※ STEM教育
アメリカのオバマ政権以降本格化した教育手法です。子供の頃から「科学(Science)」、「技術(Technology)」、「工学(Engineering)」、「数学(Mathematics)」)をプログラミングとともに統合的に学習することで、創造力に優れた人材をより多く育成し、国際競争力の強化に結びつけることを目的としています。「STEM」は後に「芸術(Art)」が加わり「STEAM」とも言われます。