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電気電子工学専攻の安丸暢彦さん、桔川洸一さんが国際学会で受賞。 無線電力伝送をテーマにした研究が評価

大学院電気電子工学専攻2年(伊東研究室)の安丸暢彦さんが「2020年IEEE名古屋支部国際会議研究発表賞」を、同1年の桔川洸一さんが「2020 Asian Wireless Power Transfer Workshop (AWPT2020) Student Award」を受賞しました。

現在、伊東研究室では、世界中で急ピッチで実用化が進められている無線電力伝送の研究に取り組んでいます。2010年度からの積み重ねにより、これまでに世界トップの性能を有する幾つものデバイスを生み出しています。その成果が認められ、現在、2つの国家プロジェクトを受託するとともに、4社との共同研究を実施し、坂井尚貴研究員、学生らとともに先鋭的な研究に取り組んでいます。

令和2年度はコロナ禍のなかにあり、国際学会も延期、中止、リモート開催と揺れ動きました。そのような状況下ではありましたが、国際学会において研究室所属の大学院生が2件の表彰を受けました。

(1) 安丸暢彦さん(大学院工学研究科電気電子工学専攻 博士前期課程2年)

受賞:2020年IEEE名古屋支部国際会議研究発表賞

IEEEは電気・電子分野で世界最大の学会です。「IEEE名古屋支部国際会議研究発表賞」は、IEEEの名古屋支部(東海・北陸地方)所属の学生に対し、海外で開催される国際会議での研究発表を奨励することを目的とした賞で、2020年は総勢22名の応募の中から13名が選ばれました。安丸さんは2019年6月17日から21日の5日間、英国ロンドンで開催された「2019 IEEE Wireless Power Transfer Conference (WPTC2019)」で発表を行い、今回の表彰はその内容が評価されたものとなります(2020年4月10日発表)。

WPTCは無線電力伝送分野で最も有力な国際会議であり、41か国からの237件の論文が発表されています。そのなかで安丸さんは中波帯のAMラジオ放送を活用する発電回路(レクテナ)の発表を行ないました。今まで誰も取り組んでいない弱電界領域でのAM放送波による環境発電をめざしたもので、そのアプローチが評価されました。安丸さんは既に三菱電機への就職が決まっており、本研究成果も論文誌へ投稿しています。

発表題目: 1 MHz band rectenna with several rectifier devices in nW operation

受賞者: 安丸暢彦さん

著者: 安丸暢彦さん(発表者)、井田次郎教授、伊東健治教授 他

指導教員: 伊東健治教授

(2) 桔川洸一さん(大学院工学研究科電気電子工学専攻 博士前期課程1年)

受賞:2020 Asian Wireless Power Transfer Workshop (AWPT2020) Student Award

AWPTは、近年、研究レベルの伸張が著しいアジア地域における無線電力伝送に関する国際学会です。AWPT2020年は2020年12月16~18日に台北とリモートでのハイブリッドで開催され、日本・台湾を中心に4つの国や地域から41件の論文の発表がありました。そのなかで桔川さんは2.4GHz帯の10W整流回路の発表を行ないました。整流効率の解析式を求め、最も効率が高い設計条件を求めることにより、同周波数でトップレベルの効率91%を達成しています。現在、桔川さんは国家プロジェクトのなかで、次世代デバイスであるGaNダイオード(名古屋大学天野教授のチームとの共同研究)を用いたレクテナの研究に取り組んでおり、今後の成果が期待されます。

発表題目: High efficient 2.4 GHz band 10 W bridge rectifier

受賞者: 桔川洸一さん

著者: 桔川洸一さん(発表者)、坂井尚貴研究員、伊東健治教授

指導教員: 伊東健治教授

安丸暢彦さん(左)と桔川洸一さん

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