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【実証実験に参加された方の動画も紹介】
コード化点字ブロックを用いた情報案内実証実験を金沢21世紀美術館周辺歩道で実施。金沢市役所エントランスホールではコード化点字ブロックに連携した観光地360度動画 視聴体験も行われる
金沢工業大学工学部情報工学科 松井くにお教授(専門:人工知能)の研究室では、コード化点字ブロックを用いた情報案内実証実験を令和2年2月15日(土)に、金沢市役所を起点とした金沢21世紀美術館周辺歩道で行いました。
敷設されたコード化点字ブロックをスマートフォンでかざすと、文字と音声情報が得られます。17か所のコード化点字ブロックの案内情報のうち、10か所にはキーワードが入れてあり、10個のキーワードを探し出せばラリーは終了となります。
健常者や視覚障がい者など19名が参加し、説明員同行で金沢21世紀美術館周辺歩道をほぼ一周する形で行われました。参加者にはシステムの使い勝手に関するインタビューを実施し、今後の改善に活かす予定です。
【当日の実証実験に参加された方の動画】
2月15日の実証実験に参加された方が当日の様子や感想を動画で紹介されています(アスカネット)。
https://twitter.com/akka0742/status/1229388549478174720
また金沢市役所内エントランスホールでは、コード化点字ブロックに連携した「金沢駅鼓門」「武家屋敷」「石川門」「ひがし茶屋街」の360度動画の視聴体験も行われました。近い将来の5G通信を見据えたリアルガイドブックで、今回は4Gで実施されましたが、将来的にはより解像度の高い4Kや8Kでリアルタイムの観光地が金沢駅などにいながら観られるようになります。
広坂交差点での表示イメージ
敷設されたコード化点字ブロックをスマートフォンでかざすと、文字と音声情報が得られる
金沢21世紀美術館周辺にコード化点字ブロックを17か所設置。
説明員同行で金沢21世紀美術館周辺歩道をほぼ一周するキーワードラリーの形式で行われた
コード化点字ブロックによる音声情報案内について
視覚障がい者にとってはなくてはならない点字ブロックですが、情報は「誘導」と「注意喚起」の2種類のみで細かいことが伝わりません。
そこで、点字ブロックに黒点や矢印をつけてコード化し、スマートフォンやコンピュータにつけたカメラで読み取り、周辺の施設などの情報が音声で流れます。
また、初めて訪れる場所で、スマートフォンをかざすだけで観光客や外国人にも文字や映像の情報を提供することができます。
みんなが使えるコード化点字ブロックになれば、点字ブロックの上に自転車や荷物を置くこともなくなるでしょう。
【実績】
「金沢市市民生活AI技術等促進事業」に採択され、金沢21世紀美術館周辺の歩道、金沢工業大学内にコード化点字ブロックを敷設し、実証実験中。コード化点字ブロックの情報の形式、内容はオープンデータ化する予定。
【今後】
「誰一人取り残さない持続可能な社会の実現」を目指しています。金沢を起点に全国に広めていきたいと思っています。オープンデータをベースに様々な使い方を一緒に考えてみませんか。
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