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機械工学専攻1年次の山口裕也さんが日本機械学会「若手優秀講演フェロー賞」を受賞

大学院1年次の山口裕也さんが、日本機械学会「若手優秀講演フェロー賞」を受賞しました。この受賞は、3月3日に行われた日本機械学会北陸信越支部第55期総会・講演会での講演発表に対するものです。

受賞者名:山口裕也(工学研究科機械工学専攻 博士前期課程1年次・佐々木研究室所属/指導教員:佐々木大輔准教授。受賞当時は工学部 航空システム工学科4年次)

講演題目:低レイノルズ数におけるコルゲート翼の流体解析

山口さんはトンボの翅の断面形状を模したコルゲート翼の流れ場を解明するために、数値流体解析技術を用いた可視化に取り組みました。生物の優れた性質を実際の設計に適用するバイオミメティクス(生物模倣)技術として、昆虫のような低レイノルズ数域におけるコルゲート翼の空力特性が注目されています。本学の岡本正人教授らが実験で空力特性を取得していますが、山口さんは数値解析による可視化結果より、コルゲート翼の凹凸の効果について調べました。この結果を日本機械学会北陸信越支部の講演会で発表し、受賞に至りました。

「若手優秀講演フェロー賞」は、日本機械学会が、大学院学生および企業若手研究者の意識高揚のため、 2004年3月より贈賞を行っているものです。金沢工業大学の学生の「若手優秀講演フェロー賞」受賞は、昨年度の岩船翼さん(佐々木研究室所属)に続き3人目となります。

「低レイノルズ数におけるコルゲート翼の流体解析」の成果

コルゲート翼の凹凸に発生する渦が流れ場に与える影響を調査するために直交格子積み上げ法(BCM)と呼ばれるツールを用いて流体解析を行いました。コルゲート翼とはトンボの翅の断面形状の翼型のことを言います。コルゲート翼は一般的な航空機に使用されている翼型とは異なり、凹凸のある形状をしています。この凹凸によってコルゲート翼は空力性能を向上させているとされてきました。しかし、詳しい流れ場の様子や凹凸内の流れがどのようになっているのかはっきりとは明らかになっていませんでした。そこで、今回の研究では流体解析により実験ではわからない凹凸内部の流れの様子や凹凸によって発生する渦が流れ場に与える影響を明らかにしました。

画像は低迎角と高迎角の時のコルゲート翼凹凸内部に発生する渦を流線で捉えたものです。この可視化図から低迎角の時は凹凸内部に2次元的な渦が発生しており、高迎角になると凹凸内部にも3次元的な渦が発生していることがわかりました。

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