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【一般財団法人学生サポートセンター「学生ボランティア団体活動レポート」優秀レポートに選出】
教職課程卒業生・在校生により約3年間にわたって学生主体で取り組まれた活動が表彰

2025/12/26 NEW

金沢工業大学教職課程の卒業生および在校生が中心となって、約3年間にわたり継続して取り組んできた不登校児童生徒へのオンライン支援活動に関するレポートが、このたび令和7年度「学生ボランティア団体活動レポート」優秀レポートに選ばれました。

一般財団法人 学生サポートセンターが、自由な発想と行動力によって社会貢献を行っている学生を主たる構成員とする「学生ボランティア団体」を応援するため、「ボランティア団体活動レポート」を募集し、優秀レポートとして表彰するものです。

活動の背景と意義

近年、全国的に不登校児童生徒の数は増加傾向にあり、石川県野々市市の小中学校でも同様の課題が顕在化しています。学校や教育支援センターが設置する公的な支援機関の利用率は約1割にとどまり、より柔軟で心理的ハードルの低い支援策が求められていました。
こうした状況を受け、学生教育支援団体「こてっと」は「不登校を否定するのではなく、社会とのつながりを途絶えさせない」という理念のもと、大学生ならではの立場から新しいアプローチを模索。教育委員会との協議を重ねながら、オンラインだからできる新しい居場所づくりを目指しました。

活動の具体的な内容

活動の中心となったのは、オンラインコミュニティ「のーく」です。これは、仮想空間ツール「Meta Life」を活用し、子どもたちが自宅や学校の相談室からタブレット端末を使って参加できる仕組み。アバターを操作しながら、大学生や大学院生と自由に遊び、会話できる場を提供しています。
初めはアバターを動かすだけの簡単なコミュニケーションから始め、徐々にクイズやチャットを取り入れることで心理的ハードルを下げ、子どもたちの自主的な参加を促しました。現在では、好きな話題で自由に交流できる複数のグループに分かれるなど、より「公園」に近い雰囲気を実現しています。

活動は2023年1月に開始し、約2年半にわたり学生主体で継続して行われました。創設者の土手口慎哉さん(現・メーカー勤務)と小山尚輝さん(現・上越教育大学大学院)は、金沢工業大学在学中に構想を練り、大学院進学後も後輩学生を巻き込みながら活動を続けてきました。現在は小山さんが代表を務め、吉田喬亮さん(現・東京学芸大学大学院)、宮本歩武さん(情報工学科4年)、田中志歩さん(情報工学科4年)宍戸啓太さん(環境・応用化学科4年)を含む5名体制で運営されています (指導教員:基礎教育部 教職課程 平 真由子准教授)。

受賞の意義

今回の受賞は、学生主体で社会課題に取り組み、教育委員会や学校と連携しながら継続的に活動を行った点が高く評価されたものです。推薦理由には「利用する児童生徒一人ひとりの視点に立ったサービス提供」「教育的支援としての意義深さ」が挙げられています。

(関連ページ)

一般財団法人 学生サポートセンター

金沢工業大学教職支援室