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【環境負荷ゼロを目指す高電圧絶縁技術研究で】
大学院電気電子工学専攻1年の水谷彰吾さんが電気学会電力・エネルギー部門大会で「YOC優秀発表賞」受賞
大学院工学研究科電気電子工学専攻博士前期課程1年の水谷彰吾さん(大澤直樹研究室)が2025(令和7)年9月17日~19日に琉球大学千原キャンパス(沖縄県西原町字千原1番地)にて開催された電気学会電力・エネルギー部門大会において「ヤングエンジニアオーラルプレゼンテーションコンペティション(YOC)優秀発表賞」を受賞しました。

電気学会電力・エネルギー部門大会では、「電力系統の計画・運用・解析・制御」、「電力自由化」、「分散型電源・新電力供給システム」、「電力用機器」、「高電圧・絶縁」、「エネルギー変換・環境」といった幅広い技術分野に関する最新の研究成果が発表されており、令和7年大会では519件の論文発表が行われました。同部門では、令和4年大会以降、29歳以下の若手研究者を対象にYoung engineer Oral presentation Competition(YOC)を開催しており、優れた論文に対して「YOC優秀発表賞」を授与しています。今回の大会では、YOCに対して全国の大学・高専・企業などから191件のエントリーがあり、水谷さんを含む20件がYOC優秀発表賞を受賞しました。
発表内容
論文題目:
ドライエア中におけるインパルス初回絶縁破壊電圧の圧力依存性‐高圧導体への絶縁被覆の効果‐
著 者:
水谷彰吾(大学院 電気電子工学専攻 博士前期課程1年)
大澤直樹(工学部 電気エネルギーシステム工学科 教授)
増井秀好(富士電機(株)技術開発本部 先端技術研究所)
岡本健次(富士電機(株)技術開発本部 先端技術研究所)
発表概要:
本研究は、電力流通機器のGX(グリーントランスフォーメーション)を推進するため、地球温暖化係数の高いSF6ガス(六フッ化硫黄ガス)※を使用しないガス絶縁開閉装置および管路気中送電線の社会実装を目指したものです。電力流通機器では、高電圧絶縁性能および大電流遮断性能に優れたSF6ガスが広く使用されています。しかし、その地球温暖化係数はCO2の23,900倍と極めて高く、環境負荷の観点から代替技術の開発が求められています。本研究では、環境負荷ゼロの絶縁媒体として期待されるドライエア(乾燥空気)に着目し、その圧力ならびに高電圧導体への絶縁被覆の有無がインパルス初回絶縁破壊電圧に及ぼす影響を実験的に調べました。実験は、電気・光・エネルギー応用研究センター内の高電圧絶縁試験棟で実施され、実規模サイズのモデル機と、国内大学の中でも最大級クラスに属するインパルス電圧発生装置が使用されました。
※SF6ガス(六フッ化硫黄ガス)
京都議定書で地球温暖化防止排出抑制対象ガスの1つに指定されたガス


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