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金沢工業大学が石川県立工業高校・石川県立大聖寺高校の2校と高大連携協定を締結
「金沢工業大学と石川県立工業高校」、「金沢工業大学と石川県立大聖寺高校」の合同高大連携協定調印式が2025年10月10日(金)10時より、扇が丘キャンパス1号館110室にて行われました。
調印式には、金沢工業大学 大澤敏学長と石川県立工業高校 居村吉記校長、石川県立大聖寺高校 𠮷本達治校長が出席。各高校の教頭等関係者や金沢工業大学の山口敦史副学長、青木隆副学長が見守る中、学長と両校長がそれぞれの協定書に署名し、今後の連携強化に向けた意気込みを語りました。

地域と未来をつなぐ学びの架け橋を
石川県立工業高校と高大連携協定を締結
石川県立工業高校(1887年創立)と金沢工業大学は、「モノづくり人材の育成」という共通の目標を通して連携を重ねてきました。特に2014年度から3年間にわたって行われたSPH(スーパー・プロフェッショナル・ハイスクール)や、2022・2023年度の産学連携人材育成事業において課題研究の連携を深めてきました。その結果、同校からは毎年多くの卒業生が金沢工業大学に進学し、両校の学びを通して社会で活躍しています。さらに2024年度のDXハイスクールの採択後は、金沢工業大学で開催されたDXハイスクール応援プログラム等を通して高校教員も学びを深めています。
今回の協定により、人的・知的資源を活用し、産業界に求められる実践的な専門知識・技術・技能の向上を図るとともに、地域社会の発展に寄与する人材育成を両校の目的として、以下のような連携内容に取り組んでいきます。
<県立工業高校との主な連携内容>
・課題研究授業の充実に向けた活動
・PBL(課題解決型学習)および教育評価法に関する共同研究と普及活動
・教職員間の交流(研修を含む)
・専門分野の知識・技術・技能向上に関する活動
・高大接続に関する情報共有および進学支援体制の充実
居村校長は、「高大連携協定を通して、大学から最先端の知見を得ることができます。大学には高校現場の実情を理解してもらう機会にしていただき、本協定を機に、国が求める『高大接続』の有効な形を実現していきたいと思います」と挨拶。
大澤学長は、「高校現場でのDX教育は、機材の導入だけではなく、活用方法の指導が重要となります。今回の協定により、『より深く、より個別に』連携していく方針です。高校の課題研究や探究活動に対して、大学の研究室や設備を活用した支援を行いたいと思います」と連携に向けた意欲を述べました。

探究的な学びを支える高大連携
石川県立大聖寺高校と高大連携協定を締結
石川県立大聖寺高校(1911年創立)は、普通科高校として基礎学力の充実と豊かな人間性の育成に力を注ぎ、少人数制授業や習熟度別指導を実施しています。金沢工業大学とは、統計・データ分析やPythonプログラミング演習の講義、探究学習で金沢工業大学の教員が授業支援を行ってきたほか、金沢工業大学主催のセミナー等での高校事例紹介、金沢工業大学と協力したデジタル教材活用特別講座や生成AI教員研修など、連携を重ねてきました。特に、2024年のDXハイスクール採択後は、同年12月に金沢工業大学で実施した「Daishoji DX Day in KIT」をきっかけに、DXに関する連携が深化。このたびの協定締結につながりました。
今回の協定を通して、先進的かつ探究的な学びの推進を通じて、生徒・学生の自己成長、教職員の専門性向上、そして地域社会の発展に資する人材育成を両校の目的とし、以下のような連携内容に取り組んでいきます。
<大聖寺高校との主な連携内容>
・金沢工業大学による探究活動・キャリア教育に関する教育的支援および助言
・教育・研究資源を活用した学習機会の提供
・教職員間の研修・研究協力を通じた専門性の向上
・地域課題の解決に資する協働的な学びの推進
・高大接続に関する情報共有および進学支援体制の充実
𠮷本校長は、「情報Ⅱなど高度なICT教育の授業支援について、すでに金沢工大の教員による授業支援が始まっています。生徒主体で立ち上げた『DX同好会』には、金沢工大生が指導補助として関わっています。探究活動やキャリア教育の場で大学の先生方と学ぶ機会を増やし、地域課題の解決に挑戦する学びを展開していきたいと思います」と今後の連携に意欲を示しました。
また、大澤学長は、「高校と大学が密に連携し、社会に開かれた教育課程を共に築いていければと思います。生成AIやIoTなどの技術を活用した教育が進む中で、高校と大学が連携し、未来の教育の形を共に創っていくことが重要です」と抱負を述べました。

高大連携で学びを社会や地域に還元する
大澤学長は、「今回の連携協定により、大学が得意とするプロジェクト型教育と、高校で進められている探究学習や課題研究を接続させることで、高校生の学びが社会課題解決につながる実践的な教育モデルを築いていきたいと考えています」と語り、地元の公立高校との連携を通じて、より広範な教育支援と地域人材育成に貢献していきたい旨を強調しました。
