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【日独パートナーシップで炭素繊維複合材料の循環利用を拡大】
リサイクル炭素繊維複合材料の研究開発・技術移転・事業化に向けた Under-one-roofの研究開発拠点「FIP-MIRAI@ICC」オープニングセレモニーを開催
金沢工業大学では、ドイツ Fraunhofer IGCVとのリサイクル炭素繊維複合材料の研究開発・技術移転・事業化に向けたUnder-one-roofの研究開発拠点である「FIP-MIRAI@ICC」のオープニングセレモニーを2025年6月5日(木)13時より、やつかほリサーチキャンパス内にある金沢工業大学革新複合材料研究開発センターで開催します。
FIPーMIRAI@ICC オープニングセレモニー
[開催日時] |
2025年6月 5日(木) |
[受付] |
12時20分 ~ 12時50分 |
[記念式典] |
13時 ~ 14時20分 |
[見学会] |
14時30分 ~ (30分程度) |
[会場] |
金沢工業大学革新複合材料研究開発センター(石川県白山市八束穂2-2) |
[式次第] |
【主催者挨拶】 【来賓祝辞】 【FIP拠点、連携について】 |
当日取材をご希望の方はメールもしくは申込みフォームでお申し込みください。 学校法人金沢工業大学企画部広報課 [メール]koho@kanazawa-it.ac.jp |
【FIP-MIRAI@ICC立ち上げの意義】
脱炭素社会実現のキーテクノロジーである炭素繊維複合材料。
そのリサイクル技術の確立と事業化をFraunhofer IGCVが有するリサイクル炭素繊維回収&マット化技術と、ICCが有する成形プロセス&設備化技術を融合させて循環型産業を実現する。併せてこの拠点を日独(欧)双方にとってのゲートウエイ(扉)として技術・人材の交流を促進する。
金沢工業大学 革新複合材料研究開発センター(ICC)では、世界有数の応用研究機関であるフラウンホーファー研究機構(Fraunhofer-Gesellschaft)の鋳造・複合材料・加工技術研究所(以下「フラウンホーファーIGCV」)との共同研究開発・事業化拠点として「FIP-MIRAI@ICC」をICC内に立ち上げました。
フラウンホーファーIGCVは炭素繊維複合材料を主な研究対象の一つとしている研究所で、日本国内における共同研究開発・事業化拠点の立ち上げはICCが初めてとなります。IGCVは優れた炭素繊維回収&マット化技術を有する一方、ICCはIGCVに不足する優れた成形プロセス技術と設備化技術を有する日本を代表する研究機関であり、互いに強みを提供/弱みを補完しあえることから、本枠組みが誕生しました。
FIP-MIRAI@ICCは「リサイクル炭素繊維複合材料を活用した製造技術と適用技術」を研究テーマに研究開発と技術移転・事業化を進めます。共同研究開発期間は2025年から2029年までの5年間。総予算は200万ユーロ(日本円で約3億1700万円)で、フラウンホーファーとICCが半分ずつ負担します。フラウンホーファーIGCV及びICCの研究員に加え、それぞれの機関のネットワークを活用し、日本ならびにドイツ(&欧州域)の企業、各機関、大学などをパートナーにしながら研究開発と事業化を進めるので、本拠点には広範な技術と人材が集積し、双方にとってのゲートウエイ(扉)としての役割を果たします。
脱炭素社会の実現に向けて、軽くて強靭な複合材料が果たす役割は大きくなる一方で、複合材料関連の廃棄物の増加は世界的な課題となっています。特に繊維産業が多い石川県内の企業においては、炭素繊維複合材料の販路を国内外に拡大する上で、リサイクル技術の確立は避けて通れないものとなってきています。
FIP-MIRAI@ICCでは、複合材料はその製品ライフを終えたあとも、強化繊維である炭素繊維が高い付加価値を有することから貴重な社会資源と見なし、新しい技術により再利用することで、次世代の持続可能性を保証する先進的な循環経済を創出。リサイクル炭素繊維複合材料の研究開発・技術移転・事業化に向けたUnder-one-roofの研究開発拠点として、国境を越えた循環利用の拡大を目指します。