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【セメント系3Dプリンターにおける二酸化炭素吸収量を最大化した曲面板構造を再検討】大学院建築学専攻1年の和田祐人さんが2023年度日本建築学会大会学術講演会 シェル・空間構造部門 若手優秀発表賞を受賞

写真手前、左から2番目が和田 祐人さん(西村研究室)

2023年度「日本建築学会大会(近畿)学術講演会」が2023年9月12日(火)から15日(金)まで京都大学で行われ、金沢工業大学大学院建築学博士前期課程(修士課程)1年の和田 祐人さん(西村 督研究室)がシェル・空間構造部門で若手優秀発表賞を受賞しました。

西村 督研究室では、昨年に続き、2年連続の受賞となりました。

 【研究の背景】

金沢工業大学では2022年、やつかほリサーチキャンパス内に鹿島建設株式会社との共同ラボとして「KIT×KAJIMA 3D Printing Lab」を設置し、セメント系3Dプリンターとカーボンニュートラルに向けた建設材料に関する技術開発に取り組んでいます。

多様な3Dプリントを開発してきた金沢工業大学と、コンクリートに二酸化炭素を吸収・固定する技術を開発してきた鹿島建設株式会社が共同プロジェクトを組み、高い意匠性と二酸化炭素吸収性を満足する設計と、少人数で部材を造形する施工の開発等に取り組むもので、金沢工業大学からは学部学科や専門分野を超えて複数の研究室が参加しています。

【受賞した和田さんの研究について】

和田さんは空間構造などを専門にする西村督 研究室に所属。3年次後学期から当共同プロジェクトに参画しています。このたび若手優秀発表賞を受賞した研究は「自由曲面で構成される曲面板構造の多目的最適化による形態解析」についてです。

和田さんは、環境配慮型コンクリートを材料とし二酸化炭素吸収量を最大化した曲面板構造の形状を構造最適化の見地で再検討しました。形状の検討は建設用3Dプリンターによる造形を前提とし、最終形状を決定するための項目(板厚、形状)を抽出する目的で実施しています。重量最小化と剛性最大化を目的とした多目的最適化の結果から、パレート解、応力が集中する位置、必要板厚を提示しました。以上の研究成果発表が評価され、若手優秀発表賞に選出されました。

金沢工業大学では、DX(Digital Transformation)、GX(Green Transformation)、SX(Sustainability transformation)などに関する社会課題を解決する社会実装型教育研究を推進し、社会で求められるイノベーションを創造できる人材育成に全学的に取り組んでいます。

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