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【金沢工業大学初のデータサイエンスに関する課外プロジェクトが2023年度に発足】
「東京大学グローバル消費インテリジェンス寄附講座」や 経済産業省「マナビDX Quest」などへの参加を通じて、 社会課題を解決できるデータサイエンティストを目指す
金沢工業大学初のデータサイエンスに関する課外プロジェクトが2023年4月に発足
金沢工業大学では、授業で学んだ知識をさらに深めていく場として、アカデミックなテーマで活動する「学科プロジェクト」や本格的なものづくりに取り組む「夢考房プロジェクト」など、さまざまな課外プロジェクトが学生主体で活動しています。
金沢工業大学研究夢考房Start Up Project「Data Dreamers」(プロジェクトマネージャー:大学院情報工学専攻1年 増田圭亮さん)は、2023年6月から新たに立ち上がった金沢工業大学初のデータサイエンスに関する課外プロジェクトです。
約50名の学生が勉強会やコンペティションなどへの参加を通じて、社会課題を解決できるデータサイエンティストを目指しています。
Data Dreamers発足のきっかけ
2022年の8月から11月まで、当時情報工学科4年だった増田圭亮さんと大学院情報工学専攻1年の陸田駿弥さんが金沢工業大学の産学協同教育「KITコーオプ教育プログラム」の一環で、8月から11月までの約4ヵ月間、NTT西日本の“社員”として勤務し、NTTマーケティングアクトProCXでデータサイエンスの業務に携わったことがプロジェクト発足のきっかけとなりました。
二人はコーオプ教育への参加がきっかけとなり、「データサイエンティストとしての実力をさらに伸ばしたい」、「データサイエンスについて学内コミュニティを作りたい」、「データサイエンスで社会課題を解決したい」という思いから、金沢工業大学初のデータ分析に関する課外プロジェクトを構想し、研究夢考房という新しい枠組みで「Data Dreamers」を立ち上げました。
※陸田さんは2023年4月から海外企業研修「ヴルカヌス・イン・ヨーロッパ」の派遣生として約1年間のヨーロッパ研修に参加中。
※研究夢考房とは
金沢工業大学では、「専門学科の研究室」(大学院生、学部4年生が中心)、学科横断的に問題に取り組み社会実装を目指す「クラスター研究室」(大学院生、学部4年生が中心)に続く第3の研究活動として「研究夢考房」の制度を2023年度より進めています。「研究夢考房」では、全学年を対象に学生自らが探究したいテーマや夢考房プロジェクト活動に関する研究テーマに取り組みます。
Data Dreamersの活動内容について
Data Dreamersは、「データ分析を扱う技術向上の機会を得られる場の構築」と「オープン・クローズドな実データを扱った社会課題の解決」という2つのテーマを軸にした活動を多種多様な学部学科学年の学生と共に実現することを目的に掲げ、扇が丘キャンパス内の「Challenge Lab」を拠点に活動しています。
プロジェクトには、「テーブル」(各種データの格納領域)、「画像」、「金融」、「オープンデータ」、「スポーツ」、「LLM」(Large Language Models:大規模言語モデルのこと。ビッグデータとディープラーニングを用いて構築された言語モデルで、精度が高いテキストを生成できる)、「WEBコンテンツ」という7つのグループがあります。
メンバーは興味があるグループに所属し、グループ単位での勉強会やデータサイエンスに関する各種コンテストなどへの参加に挑戦します。
主な活動としては以下の3つがあげられます。
(1)データサイエンティストとして活躍できる企業に行くために、優良企業に内定が決まっている上級生による講演を聴き、これまでの学びの流れや、就活で身に着けたノウハウなどを共有する。
(2)データサイエンティストとしての技術的な力をコンペティションや普段の活動、「東京大学グローバル消費インテリジェンス寄附講座」、経済産業省主催のデジタル推進人材育成プログラム「マナビDX Quest」1部などで身につけます。
(3)実社会の課題に対応する力を身に着けるために「マナビDX Quest 2部」で行われる企業協働プログラムに参加
なおData Dreamersは2024年度に13番目の夢考房プロジェクトになる予定です。
東京大学グローバル消費インテリジェンス寄附講座について
東京大学大学院工学系研究科 技術経営戦略学専攻 松尾豊教授の研究室ではデータサイエンスについて幅広く学べる「グローバル消費インテリジェンス寄附講座」(全15回)を前期と後期に開催し、最終課題に合格すると修了証が授与されます。
今年度は増田圭亮さん(大学院情報工学専攻1年)が最終審査に合格し、「グローバル消費インテリジェンス寄附講座」(2023Summer)修了証を2023年8月24日に授与されました。
経済産業省主催のデジタル推進人材育成プログラム「マナビDX Quest」について
経済産業省ではデジタル推進人材育成プログラムとして「マナビDX Quest」と呼ぶ、実践的なケーススタディ教育教育プログラムを社会人と学生を対象に実施しています。AIモデルの構築と導入に向けたプレゼン資料作成等に取り組み、DX推進で求められる一連のプロセスを学習するもので、地域企業・産業のDX実現に向けて、ビジネス現場における課題解決の実践を通じて能力を磨きます。
プログラムは企業データに基づく実践的な「ケーススタディプログラム」(第一部)と、第一部を修了した受講生が企業と協働し、実際の企業の課題に取り組む「地域企業協働プログラム」(第二部)から構成されます
今年度は2023年8月5日から11月4日まで行われた第一部に増田圭亮さんと原康太さん(大学院情報工学専攻1年)が参加。増田さんはGold修了証(AIの実装を通じたDXプロジェクトの疑似体験)を、そして原さんはGold修了証(データ駆動型の変革推進の疑似体験)をそれぞれ11月に授与されました。なお増田さんは参加者712名中、上位5%に与えられるAI課題優秀賞とプレゼン課題優秀賞、総合課題優秀賞をあわせて授与されています。
マナビDX Questの第二部では、第一部を修了した増田さん、原さんを含む5名(学生3名、社会人2名)でチームを組み、九州の製造業の企業のDX推進プロジェクトを企業と共同で実施。12月中旬~2024年2月上旬までの約2か月間で、製造業の企業の業務のシステム化のロードマップの作製を行う予定です。