大学院工学研究科バイオ・化学専攻博士前期課程1年（岡田豪研究室）の竹林文夫さんが、9月19日～23日に熊本城ホールほか3会場で開催された「第84回応用物理学会秋季学術講演会」で「Poster Award」を受賞しました。同賞は応用物理学会学術講演会において、応用物理学の発展に貢献しうる優秀なポスター講演を行った会員に対して贈られるもので、ポスター総講演件数810件の中から16件が選出されました。

今回受賞となったポスター題目は「Eu添加Li2BaSiO4におけるラジオフォトルミネッセンス特性」です。本研究では、Eu（ユウロピウム）を微量添加したLi2BaSiO4（リチウムバリウムケイ酸塩）において珍しい蛍光現象であるラジオフォトルミネッセンス(RPL)現象を新たに発見し、その特性について調査を行いました。

RPLは放射線との相互作用によって蛍光特性が付与される現象で放射線検出素子に応用される一方で、材料探索や現象理解、応用展開が進んでいないことが課題となっており、新規RPL材料の探索が求められています。

竹林さんはこれまでにEuを微量添加したLi2CaSiO4（リチウムカルシウムケイ酸塩）およびLi2SrSiO4（リチウムストロンチウムケイ酸塩）がRPL現象を示すことを見出しています。本研究ではCa（カルシウム）とSr（ストロンチウム）の同族元素であるBa（バリウム）を用いたEu添加Li2BaSiO4のRPL特性について調査を行い、同材料で新たにRPL現象を見出すとともに、X線に対して高い感度を有することを発見しました。

今回の研究成果は、同材料の放射線検出器としての応用の可能性を示唆するとともに、RPL現象の原理解明に寄与することが期待されています。

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