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SIEMENS社のソフトウェア「NX software」を新たに導入。学生時代に世界最先端の3D-CADを学ぶ充実の環境を整備。日本の大学で初めて大規模導入

2023年度より、SIEMENS社の世界最先端のソフトウェア「NX software」を新入生の授業に新たに導入しました。NX softwareは、大企業の現場でも使用されている3D-CADで、機械系3学科(機械工学科、航空システム工学科、ロボティクス学科)の学生全員が使用できるようなライセンスを導入した大学は、国内では金沢工業大学が最初です。

Siemens社のNX softwareは、汎用性の高いCAD/CAM/CAE統合アプリケーションツールで、設計課題に応じて種々の手法を組み合わせ、効率的に設計を行うことができます。特徴として、シンクロナステクノロジにより、自由な発想で3Dモデリングに取り組むことができる点があげられます。3Dモデルから2Dモデル図面への展開も可能で、設計思想の具体化から、製作するための図面までを取り扱うことができます。また、3D-CADによるモデリングと機構や構造解析などのシミュレーションツールが統合されており、設計プロセスの初期段階から解析による詳細設計も可能であり、最適化設計に対して柔軟かつ迅速に対応できます。

金沢工業大学では、工学部の機械系3学科でNX softwareを導入し、1年次の必修科目「機械系製図Ⅰ」での使用を開始しています。学生は、より実践的なツールに触れることで、実社会での設計を体験するとともに、統合アプリケーションの強みを活かした設計の具体化から妥当性の検証、製作工程の提案をシステマティックに行うことができる能力を身につけることができます。学生時代に最先端の3D-CADを学ぶことで、将来的に学生が設計の即戦力として企業で活躍することが期待できます。

使用を開始したNX softwareの画面例(授業「機械系製図Ⅰ」での課題サンプル)

「NX software」のような本格的な3D-CAD導入の大きな理由に、現在の開発形態の進化があります。大学では従来から設計に関する教育を行ってきましたが、現在は、設計をするにも様々な支援ツールが必要となってきています。金沢工業大学では、これまでにもコンピュータ援用の解析等の教育も行っていますが、トータルに設計・製造を行える人材を育成すべく、今回のNX softwareを導入しました。

導入したNX softwareのライセンス数は、企業を含めた中でも3本の指に入ります。金沢工業大学では、数値解析ソフトウェア「MATLAB」、モデルベース設計ツール「Simulink」をすでに全学導入しており、さらにNXの導入で、3学科の学生は充実した環境の中で学ぶことができます。また、単に設計を学ぶだけではなく、企業現場で実際に使用される最先端のツールの導入により、金沢工業大学が行っている社会実装型の共同研究やコーオプ教育の高度化につながることを期待しています。

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