記事詳細
応用化学科の竹林文夫さんが「令和4年度生体医歯工学共同研究拠点成果報告会」で「優秀ポスター賞」を受賞。Eu添加リチウムケイ酸カルシウムのラジオフォトルミネッセンス特性と重元素化に向けた試み
バイオ・化学部応用化学科4年(岡田豪研究室)の竹林文夫さんが、3月3日に東京工業大学すずかけ台キャンパスで開催された「令和4年度生体医歯工学共同研究拠点成果報告会」で「優秀ポスター賞」を受賞しました。成果報告会の全講演161件の中から10件が同賞に選出されました。
竹林さんはこれまでにEuを微量添加したLi2CaSiO4において、新たにラジオフォトルミネッセンス(RPL)現象を発見し、RPLを利用した電子機器のX線イメージングに成功しました。ここで、RPLとは放射線照射によって蛍光を呈する特性が新たに付与される現象のことを指します。RPLによる発光強度は放射線の照射線量と比例関係にあることから被ばく線量計などに応用されています。しかし、RPLを示す材料の報告例は少なく、現在では個人被ばく線量計への応用を目的とした軽元素RPL材料の開発が積極的に行われています。そのため、重元素RPL材料に関する知見は乏しく、新たな知見が求められています。
そこで、本研究ではEuを微量添加したLi2CaSiO4に加えて、母体材料のCaを同族元素のSrおよびBaに変更して重元素化した際のRPL特性についても調査を行いました。その結果、重元素化を行ったいずれの材料においてもRPL特性が認められるとともに、既存材料であるEu添加Li2CaSiO4よりも感度が向上しました。今回の研究成果により、新たなRPL材料探索の指針として、同族元素による重元素化の可能性が示唆されました。また、RPLを利用したX線イメージング性能のさらなる向上が期待されます。
【関連リンク】