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大学院生の小原優斗さんが執筆した論文が国際論文誌「Journal of Materials Science: Materials in Electronics」にオンライン掲載。SrAl2O4:Euのラジオフォトルミネッセンス特性を用いた放射線計測への応用可能性を検討
大学院工学研究科バイオ・化学専攻博士前期課程2年の小原優斗さん (応用化学科・岡田研究室)が執筆した論文が2023年2月11日から国際論文誌である「Journal of Materials Science: Materials in Electronics」にオンライン掲載されました。
「Journal of Materials Science: Materials in Electronics」はドイツの出版社「Springer」が発行する査読付き科学雑誌であり、エレクトロニクスに利用される材料に関する研究情報を提供する学術的な科学雑誌です。
本論文で取り上げられたラジオフォトルミネッセンス (RPL) は放射線との相互作用によって材料中に発光中心が生成される現象であり、放射線量を計測するための線量計に利用されています。しかし、RPL現象は稀な現象であり、報告されているRPL材料が非常に少なく、現象の理解や新規応用展開が進んでいないという課題があります。このような背景の中、小原さんが今回執筆した論文ではSrAl2O4:EuにおけるRPLの特性と電荷移動過程との相関について報告しました。SrAl2O4:Euは避難誘導標識などの蓄光材料に広く利用されている材料であり、この一般的な材料が放射線を計測できることを明らかにし、線量計への応用可能性について検討しました。
論文タイトル:Radio-photoluminescence properties of Eu-doped SrAl2O4 ceramics and thermally assisted charge transfer process
著者:小原優斗、岡田豪、露本伊佐男、南戸秀仁