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金沢工業大学建築学科の宮下研究室が金沢市と連携し、 木材を使った交流拠点「木の場-KINOBA-」をデザインし、尾張町に設置。 10月15日(土)に、報道機関・関係者向けのオープニングイベントを実施
金沢工業大学建築学科の宮下智裕研究室が金沢市と連携し、木材を使った交流拠点「木の場-KINOBA-」を、金沢市尾張町の越山甘清堂本店の駐車場に設置します。期間は、10月15日(土)~11月15日(火)となります。初日となる10月15日(土) 9時にはオープニングイベントを実施します。
交流拠点「木の場-KINOBA-」は、まちの交流を促進することを目的として学生たちが中心になって設計した施設で、地域の人や観光客などが使える休憩所の役割を果たす機能のほか、交流イベント、町の歴史・文化の発信など、期間限定の催し物も実施する予定です。建築工法の特徴としては、新しい木質系材料CLT(*)が用いられており、街並みとして歴史建造物の価値を高めつつ、新しい技術を取り入れたつくり・デザインとなっています。広さは13.6平方メートル(幅4m、奥行き3.4m、高さ3.39m)です。新しい木質系材料CLTで建てられた建物と尾張町の古い街並みとを融合させつつ、ワークショップなどを通して尾張町の住民の方にも「木の場-KINOBA-」づくりに参加いただいており、これからのまちづくりについて考えるきっかけとなることを目標としています。
今回の取り組みは、建築コンペを契機に、学生の提案を社会実装できた、産官学連携の貴重な機会となりました。建築を学ぶ若い学生が町民の方と考えてきた新しいアイデアをぜひご覧ください。
木材を使った交流拠点「木の場-KINOBA-」の設置オープニングイベント
場所:越山甘清堂本店 駐車場(〒920-0902 金沢尾張町2-11-28)
当日、越山甘清堂本店の駐車場はお使いいただけませんので、車でお越しの方は近隣の駐車場を利用ください。
日時:2022年10月15日(土) 9~12時
◇開会挨拶
◇“木の場-KINOBA-”コンセプト説明
◇オープニング(暖簾かけ)
◇和菓子とお茶のふるまい
「木の場-KINOBA-」を使った、今後のイベント内容の詳細などを発表します。
担当教員:宮下智裕教授(金沢工業大学 建築学科)
担当学生:古城奈央さん(大学院工学研究科 建築学専攻博士前期課程2年、宮下研究室) 岡崎佑哉さん(同)
協力:株式会社中東
「木の場-KINOBA-」 設置期間:
2022年10月15日(土)~11月15日(火)
*CLT:直交集成板。Cross Laminated Timberの略。木材の維方向が直交するように積層接着した材料で、大きな板状をしており、断熱性、遮炎性などの特徴がある。
取り組みの背景・経緯
この取り組みは、2021年9月30日に行われた、第1回「木の文化都市・金沢ミライまちづくり学生提案事業」の公開プレゼンテーションで、建築学科・宮下研究室の学生チームの発表「尾張らん町 新しい金沢文化による更新と蓄積のまち」が最優秀賞を受賞したことをきっかけにスタートしたものです。宮下研究室の学生チームは、プレゼンテーションの中で、金沢の商業の地として栄え時代ごとの文化が蓄積してきた金沢市尾張町をフィールドとして、道路拡張に伴う空間の活用可能性に着目し、「木の文化」により再び更新し続けるまちへと発展させる提案を行いました。
このプレゼンテーションの内容をベースに、金沢市の「木の文化都市・金沢 学生提案モデル事業」として、地域住民や地元の職人、学生が連携し、木の文化都市・金沢を発信するための実証事業を行ってきました。学生たちは、尾張町で木造建築を可能とするCLTを用い、木材を使った交流拠点「木の場-KINOBA-」のアイデアを練り上げてきました。また、9月13日(火)には尾張町の町民の方とともにワークショップを行い、尾張町に住む住民の記憶や思い出などを聞き取り、交流拠点の活用についてディスカッションを実施しました。
木の文化都市・金沢ミライまちづくり学生提案事業
木の文化都市を創出する取り組みを通して、建築・デザインを学ぶ学生が、将来の「金沢のまちづくり」に携わるきっかけとなるよう、実際のまちづくりにコミットメントする機会を創出するとともに、今後のまちづくりに新しい発想を活かしていくことを目的に、金沢市が実施している建築コンペです。2022年の第2回「木の文化都市・金沢ミライまちづくり」学生提案事業の成果発表会は、10月8日(土)に石川県立図書館で行われました。