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経営情報学科の狩野剛准教授が、外務省の招聘講師としてバングラデシュ政府で講演。「ICT bridge between Bangladesh and Japan」をテーマに、日本とバングラデシュの架け橋となるデジタル人材育成を提案

経営情報学科の狩野剛准教授が、9月11日(日)に、バングラデシュ政府の郵政通信情報技術省 にて、「ICT bridge between Bangladesh and Japan」のテーマで講演会を行いました。

日本の外務省では、日本の政策や日本の政治、経済、社会情勢等に対する諸外国での理解の促進を目的として、有識者が海外で講演会等を行う講師派遣事業を行っており、狩野准教授の今回の講演はこの一環となります。狩野准教授は、3年間のJICAバングラデシュ事務所での駐在経験をもち、『バングラデシュIT人材がもたらす日本の地方創生』(佐伯印刷)の出版などの実績があり、招聘講師として今回の講師派遣に選ばれました。

講演会で狩野准教授は、「ICT bridge between Bangladesh and Japan」のテーマで、バングラデシュと日本のデジタル人材育成について講演を行いました。現在、バングラデシュの大学生の就職先としてICT分野の人気が高まっており、国内トップの大学であるダッカ大学やバングラデシュ工科大学 でも、ICT分野が最も人気のある分野となっています。しかしながら、国内の就職先が少なく、米国などへのデジタル人材流出などが課題となっています。一方、日本では、政府がSociety5.0、デジタル田園都市国家構想など、ICTを中心とした国家戦略を打ち出していますが、将来的には、デジタル人材が2030年には最大で79万人不足すると経済産業省が試算しています。

これらのICT人材・ICTビジネス・ICT政策の状況をふまえて、狩野准教授は、日本・バングラデシュ両国のデジタル人材の交流を提案し、バングラデシュの若手デジタル人材に両国の架け橋になって欲しいというメッセージを講演会で述べました。グローバルに働くことにより、働く国の文化に根ざした習慣への理解などを通して、プログラミングなどのハードスキルに加えて、コミュニケーションなどのソフトスキルを獲得することができます。また狩野准教授は、B-JET (Bangladesh-Japan ICT Engineers' Training Program)の取り組みを例に、日本とバングラデシュ両国間でのデジタル人材育成の事例を紹介し、バングラデシュ人が来日し数年から数十年働いたのち、バングラデシュに戻り母国のICT分野の発展に寄与するモデルケースや、両国の架け橋になって活躍する ケースなどについて紹介しました。

講演会には、バングラデシュの政府職員、民間企業の他、大学教職員・学生など100人程度が参加しました。

「国際協力」というと医療支援やインフラ整備のイメージが強いですが、昨今、ICT分野の国際協力の事例が増えつつあります。狩野准教授は、今後、来日して働くバングラデシュ等の海外の方が日本のICT企業でどのように成長し、日本・母国にどう貢献をしたかの調査などを計画しています。あわせて、現在の受け入れプログラムの課題点を明らかにし、日本の国際化に貢献していくことを目標としています。

講演を行った狩野准教授(右から3人目)。講演にはダッカ大学コンピュータ科学部のバサイフッディン・タリク学部長 も参加した(左から3人目)

講演を聴講した学生らとともに

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