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第13期 野々市市民カウンセラー連続講座を、 にぎわいの里ののいち カミーノ ホールで6月11日(土) ・ 18日(土)に開催しました

金沢工業大学心理科学研究所と野々市市福祉総務課は、野々市市民・野々市市に関係する方々を対象とした「野々市市民カウンセラー連続講座第13期(以下 本講座)」をにぎわいの里ののいちカミーノの1Fホールにて開催しました。

本講座は本学心理科学研究所と野々市市福祉総務課との協働により、平成26年度以降継続的に実施しているものです。コロナ禍の2020年度は開催がかないませんでしたが、2021年度の秋に復活し、ブランクがあったにも関わらず熱心な市民が参加しました。講座参加者には「修了証」が授与され、第1期修了生を中心に修了生の会(「ほわっと」の会)も組織されており、ボランティアで活躍している修了生も多くいます。

こうした取り組みは、本学が臨床心理士や公認心理師といった「こころの専門家」を養成する心理科学研究科臨床心理学専攻を擁することが契機となっています。心理臨床家の教育で培ってきた本専攻のノウハウを本講座によって市民に還元し、講座に参加した市民が自発的に傾聴を中心とするボランティア活動を展開、その結果「こころ」の観点からよい街づくりに貢献するという、循環が生まれています。

本講座は、野々市市民や野々市市に関係する方々を対象とした「傾聴」について学ぶ講座です。「傾聴」とは、コミュニケーションの基礎となるスキルであり、カウンセリングだけでなく普段の生活や仕事、またプロジェクト活動など、人と関わるすべての活動において活用することができます。

講座の大きな特徴は、「傾聴」に関する心構えを学ぶだけではなく、実際に聴き手・話し手に分かれて傾聴スキルを磨く「ロールプレイ」を重点的に行うことで、望ましいコミュニケーションのスキルをステップバイステップで学習できることです。もう一つの大きな特徴は、ポジティブ心理学に基づくワークを取り入れ、日常生活をポジティブに過ごし、参加者自身が「幸せ(ウェルビーイング)をより実感しやすく」なることをねらいとしていることです。さらに、野々市市担当者による各種相談窓口の紹介もあり、市民が日常生活の中で相談を受けた際、必要に応じて適切な窓口につなげるノウハウを身に着けられます。

参加者が実際に「傾聴」する力を身に付け、より多くの市民がお互いに助け合い、支え合える、活気ある野々市を創ることをめざした内容になっており、講座開始以来、参加した市民から支持を受け続けています。

今回の第13期には、市民と本学学生がほぼ半数ずつ、10代~60代までの向学心溢れる計25名が参加しました。講座は、本学大学院臨床心理学専攻の教員5名と大学院生6名、野々市市福祉総務課から課長を含めた3名が運営を担いました。ロールプレイは、毎回異なる参加者間で行われるよう班決めされ、参加者にとっては異なる立場や年齢層の市民と触れ合う機会にもなっています。普段地域の方と触れ合うことの少ない学生にとっては、交流を深める貴重な経験になりました。

1日目終了時に質問を受け付けたところ、多くの質問が寄せられた。ロールプレイを経験しての気付きや質問、および、「オンラインチャットでも傾聴スキルは適用可能か」といった発展的な質問など多様な問いかけに対し、2日目の冒頭に解説が行われました。講座終了後のアンケートにおいては、ほぼすべての参加者から、ロールプレイが生活に非常に役立った、また、ポジティブ心理学のワークから多くの気づきを得たとの感想をいただいており、今期も好評を博す内容でした。交流については「立場の異なる方と話ができて新鮮」、「若者がどのようなことをしているのか、考えているのか垣間見る機会となり、非常に面白く興味深かった」といった感想が寄せられました。「もう少し回数を増やしてほしい」、「さらに学びたい」、「フォローアップの機会があっても良いのでは」といった向学心溢れる要望もあり、今後の講座実施に生かしていく予定です。

「しっかり聞いてもらえると嬉しいということを改めて感じた」といった感想も寄せられましたが、傾聴により、傾聴する人もされる人もウェルビーイングが上がるということも実感して頂いたようです。今年度は、秋に第14期の講座を計画しており、多くの市民の方、学生の参加をお待ちしています。

大矢教授 開講挨拶講義の中で心理科学研究科大学院生が実演

 ロールプレイ 質問に対する解説(1日目)

修了証 授与

野々市市民カウンセラー連続講座のこれまでの活動

本講座(第1期)は、平成26年度に野々市市と金沢工業大学が連携して発足した事業で、「傾聴」についての講座の実施により、傾聴力を身に付けた人材=市民カウンセラーを野々市市内に増やすことで、野々市市をさらに住みよいまちにすることを目的としています。

過去は5日間ないし4日間に渡る講座で、野々市市庁舎や金沢工業大学にて年に2回開催していました。新型コロナ感染症拡大に伴い、令和2年度は中止となったが、これを機に令和3年度からは市民の方が集まりやすい、野々市市にぎわいの里ののいち カミーノに場所を移し、換気や密にならない等の感染予防が充実している1Fホールにて実施しています。

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