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応用化学科の岡田豪准教授が、文部科学大臣表彰 若手科学者賞を受賞。新規光機能材料の創出と量子計測応用の研究が評価
金沢工業大学 バイオ・化学部応用化学科の岡田豪准教授が、令和4年度科学技術分野の文部科学大臣表彰 若手科学者賞を受賞しました。
岡田准教授が行ってきた「新規光機能材料の創出と量子計測応用の研究」が評価され、今回の受賞に至りました。岡田准教授は、ラジオフォトルミネッセンス(RPL)をテーマとした研究を一貫して行ってきており、20種類を超える新しいRPL材料の発見、実用化されているものと比較して10倍感度が高く安定な新規RPL材料の発見などの成果をあげてきました。
岡田准教授の業績
量子計測に用いられる蛍光現象の一つとしてラジオフォトルミネッセンス(RPL)が挙げられ、現在、個人被ばく線量計のセンシング・記録素子として実用化されています。一方、認知されているRPL材料の数は極めて少なく、現象理解や新規応用展開への妨げとなっています。岡田准教授は、積極的な材料探索を推進することにより20 種類を超える新規材料の創出に成功し、RPL 特性と材料パラメータとの相関性を明確化させ、材料設計指針の道筋を立てました。また、開発した独自材料を用いることにより、次世代放射線治療に用いられる特殊なX 線ビームの線量分布計測に世界で初めて成功しました。本研究成果は、量子計測技術の選択の幅を広げ、医療、福祉、産業などの分野においてより安全・安心な量子利用推進の一端を担う事と期待されます。
主要論文:「Novel radio-photoluminescence materials and applications」Journal of the Ceramic Society of Japan誌、vol.129、p419~424、2021年発表
主要論文:「Spatially resolved measurement of high doses in microbeam radiation therapy using samarium doped fluorophosphate glasses」Applied Physics Letters誌、vol.99、p121105、2011年発表
科学技術分野の文部科学大臣表彰について
文部科学省では、科学技術に関する研究開発、理解増進等において顕著な成果を収めた者について、その功績を讃えることにより、科学技術に携わる者の意欲の向上を図り、もって我が国の科学技術水準の向上に寄与することを目的とする科学技術分野の文部科学大臣表彰を定めています。表彰内容として、「科学技術賞」「若手科学者賞」「創意工夫功労者賞」「研究支援賞」の各賞があります。岡田准教授が受賞した「若手科学者賞」は、萌芽的な研究、独創的視点に立った研究等、高度な研究開発能力を示す顕著な研究業績をあげた40歳未満の若手研究者個人に授与されるものです。