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井田研究室が提案する電子デバイスが応用物理学会の機関誌『応用物理』2022年3月号の表紙を飾る

電気電子工学科・井田次郎研究室が提案する電子デバイスが、応用物理学会の機関誌『応用物理』2022年3月号の表紙を飾りました。

電気電子工学科の井田研究室は、2015年の米国電気電子学会(IEEE) International Electron Devices Meeting (IEDM、IEEEの電子デバイス分野のプレミア学会)での発表以来、「PN-Body Tied SOI-FET」と命名した電子デバイスを研究しています。これは、現在の大規模集積回路(LSI)に使われているMOS型電界効果トランジスタ(MOS-FET)の物理限界を打破する、超急峻なオン・オフ特性を持つ電子デバイスです。センサネットワークに代表される極低電力IoTへの応用、環境電磁波発電用の整流素子への適用、さらに最近では、単体デバイスで実現するニューロン機能への応用展開など、IEEEをはじめ多くの国際学会で継続して積極的にこのデバイスの研究を発表しています。ニューロン機能への展開は、スパイキング・ニューラルネットワークを基本とする次世代人工知能の基本素子をめざすものです。

これらの活動が応用物理学会の機関誌企画・編集委員会の目に留まり、井田教授が機関誌『応用物理』2022年3月号に解説の記事を執筆しました。さらに、同誌の表紙に、井田研究室の「PN-Body Tied SOI-FET」が使用されました。

応用物理学会は、会員数が約1万8千人で、この分野を代表するメジャーな学会です。井田教授は、応用物理学会シリコンテクノロジー分科会の次期幹事長を務める予定であり、2020年度からは量子コンピュータの大規模国家プロジェクト(NEDO)にも参画するなど、先進的なさまざまな研究を進めています。

記事:「PN-Body Tied SOI-FETによる超低電力エレクトロニクス」 井田次郎
『応用物理』第 91 巻第 3 号(2022)pp. 144-150、表紙

学会誌の表紙に使われた図

PN-Body Tied SOI-FET単体でのニューロン機能の実現の研究。Bodyにパルスを入れるとそのパルス・オン時間によりドレイン電流パルス(発火:fire)に発生に必要なパルス数が変わる。

【関連リンク】

応用物理 第91巻 第3号(2022)

https://www.jstage.jst.go.jp/browse/oubutsu/91/0/_contents/-char/ja

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