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金沢工業大学エネルギーマネジメントプロジェクトが 第11回「いしかわエコデザイン賞2021」 金賞を受賞。 地域特性を活かした再生可能エネルギーによる社会実装型研究が評価

白山麓キャンパスを拠点に金沢工業大学 地方創生研究所が株式会社成宏電機、北菱電興株式会社らと進める「地域特性を活かした再生可能エネルギーシェアリングシステム」が産学連携による社会実装の成果として、石川県の第11回「いしかわエコデザイン賞2021」 サービス領域の金賞を受賞しました。12月6日(月)に石川県庁で表彰式が行われ、大澤敏学長が谷本石川県知事から表彰状を授与されました。

石川県庁で行われた表彰式で大澤敏学長(中)が賞状を授与されました

金沢工業大学では、“キャンパスと地域の共創による地方発のカーボンニュートラルの実現”を目的として全学的に研究を推進しています。その中でも、大澤敏学長が所長を兼任する地方創生研究所では、

プロジェクトリーダ 泉井良夫教授(電力システム)

齋藤正史教授(情報システム)

徳永雄一教授(IoTシステム)

藤本雅則准教授(熱活用システム)

石橋孝一准教授(通信システム)

西田義人講師(AIシステム)

らが、分野横断型によるエネルギーマネジメントプロジェクトとして、地域での電気と熱を組み合わせた再生可能エネルギーの地産地消と、大規模・長期停電にも強い電力供給システムの構築をめざし、白山麓キャンパスを拠点に産学連携で社会実装型の研究を行っています。

このプロジェクトによって、産学連携にて創出された成果が「地域特性を活かした再生可能エネルギーシェアリングシステム」です。今回は、このシステムが石川県発のエコなサービスとして評価を頂いたものです。本システムを白山麓キャンパス内のコテージにて構築し実証実験を実施し、各地へ同システムを展開しています。また、単なるシステムの構築にとどまらず、地域の間伐材の利活用、地域特産品への展開など、地域活性化の取り組みにもつなげています。

また、この取り組みは産学連携による技術移転の社会実装成果であり、株式会社成宏電機、北菱電興株式会社が連名で受賞となりました。株式会社成宏電機は、当システムの研究開発を担っており、電気と熱連携による全体システムを開発しました。北菱電興株式会社は、イチゴ圃場への地産エネルギー利用によるシステムの開発を担いました。この他にも、TDKラムダ株式会社、東亜電機工業株式会社、株式会社GSユアサ、株式会社イクロス、株式会社エコステージ、みなみ設備工業株式会社、株式会社セーフティ、株式会社芝寿しの協力を受けて進めています。

第11回「いしかわエコデザイン賞2021」 金賞:

「地域特性を活かすための再生可能エネルギーシェアリングシステム」

審査員コメント:

大学キャンパス内において、自然由来の電気・熱を統合的に活用したシステムの構築により、エネルギーの地産地消を実現しています。産学が連携して北陸の地域特性に合わせた実証試験を繰り返すことで、より実用的なエネルギーの安定制御を可能としている点を高く評価します。今後の全国各地へのシステム普及に期待します。

「地域特性を活かすための再生可能エネルギーシェアリングシステム」の取り組み

金沢工業大学、株式会社成宏電機、北菱電興株式会社が進めるエネルギーマネジメントプロジェクトは、多様な再生可能エネルギーによるエネルギー供給システムを構築しています。このシステムは、「エネルギー制御システム」と、発電等の各種要素技術が一体化された独自の技術で、太陽光・風力・バイオマスなどの発電設備を効率よく制御し、蓄電や電気自動車を活用しながら、近隣住宅と農業ハウスなどとエネルギーミックス及びシェアリングできる点が最大の特徴です。それぞれの再生可能エネルギーの活用により、温室効果ガスを削減しています。バイオマスの燃料には、地域の間伐材等を原料とする木材チップやペレットを用いているため、間伐材の再資源化活用に資するとともに、森林の保全活動にも貢献しています。

電力・熱供給に際しては、電気自動車を含む蓄電池や温水タンクを、電気・熱を連携させた制御技術により、エネルギーの生産と消費のバランスを最適化しています。電気は変換を簡略化する独自の供給ラインを協力企業らと開発し、高効率化を実現しています。熱は温水として、寄宿舎、イチゴの圃場へ暖房として供給し、カーボンフリーを兼ねつつ地域特産となる北陸ブランドとなるイチゴの生産を行っています。

エネルギーマネジメントプロジェクトの拠点、白山麓キャンパス。太陽光発電やバイオマス発電などから電気・温水をコテージに提供し、エネルギーの受給バランスの実証実験を行う

バイオマス発電。地域の間伐材を使用して発電、温水の提供を行う

いしかわエコデザイン賞について

いしかわエコデザイン賞は、低炭素(地球温暖化防止)、里山里海保全などの自然共生、資源循環(3R)、環境保全のための情報発信やパートナーシップ(参加・国際的取組)など、持続可能な社会の実現に向けて生み出された、石川発の優れた「製品(モノづくり)」「サービス(コトおこし)」を育て、発信していこう、という石川県の賞です。金賞は、受賞対象の中で、特に優れたエコデザインと認められたものに送られる賞です。

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