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企業の業務に長期間従事した学生が、社会実装型の学びの成果を発表。「北菱電興株式会社コーオプ教育報告会」を開催しました

「北菱電興株式会社コーオプ教育報告会」が、6月4日(金)に開催され、北菱電興株式会社でKITコーオプ教育プログラムに参加した学生が6か月間の成果を発表しました。

KITコーオプ教育プログラムは、企業の第一線で活躍する技術者を「実務家教員」として招聘し、学生が実際の業務に従事しながら企業が持つ最先端の技術について実践的に学び、社会と顧客に貢献するという価値と行動を理解する新しい産学協同プログラムです。金沢工業大学では、北菱電興の他にもNTT西日本やNECグループ等の企業と連携し、このコーオプ教育プログラムを実施しています。産業界と協力しながらこれからの持続可能な未来の社会を実現するための取り組みです。

学びの場がキャンパス内にとどまらずキャンパス外に拡大し、企業が学生たちの学びの場となる点が、コーオプ教育プログラムの大きな特徴となります。学生にとっては、企業の一員として責任をもって学ぶ経験を得ることができるだけでなく、大学で学んだ知識・技術がどう社会で使える・役立つかを知り、プログラム終了後には大学に戻りコーオプ教育の経験を活かしてさらに学びを深めることができます。社会実装型の深い学び、実用研究レベルの学びを得られるメリットがあります。

北菱電興とのプログラムには、大学院工学研究科機械工学専攻博士前期課程1年の山本ゆきのさん(プログラム参加当時は工学部ロボティクス学科4年次、河合研究室)が、2020年9月24日から2021年3月31日まで参加し、「従業員の幸福度を向上させるための測定解析技術などの検討」を行ってきました。山本さんは北菱電興のいなほ工場をフィールドに、北菱電興の社員と協力し、従業員(作業者)の幸福度を調査するため、データ測定・分析の方法の議論からスタートし、幸福度の変化に影響する要因の特定、現場へのフィードバックに取り組みました。ヘルスバンドを用いて従業員の心拍数を測定・分析を行い、心拍数が幸福度を客観的に評価する指標として重要である点を明らかにしました。また、音楽が作業員のストレス軽減につながるかを調査し、有音のほうがストレス軽減につながる、アップテンポの曲のほうが効果的であるという結果から、音環境がストレス軽減に重要な要因である点を明らかにしました。

金沢工業大学のChallenge Labと北菱電興株式会社をオンラインで結んで開催された成果発表会では、山本さんと北菱電興による成果のほか、金沢工業大学、北菱電興双方からプログラムを通した振り返りなどが発表されました。今回のプログラムにより、北菱電興から社会課題解決の具体的な機会が提供され、学生が議論の場に参加しながら進めるなど、学生の成長につながる一連の取り組みを行うことができました。大学の教員と北菱電興の実務家教員とが協力して学生を育てることができ、学生からは「企業で必要とされるスキルの発見につながった」、「将来のキャリアについて考えるきっかけとなった」などの感想がありました。北菱電興からも、学生という若い世代ならではの発想を得られたとの感想があり、新しいかたちの社員教育への取り組みになったと評価いただきました。

山本さんのプログラム参加期間終了後、同じ河合研究室の大学院生が山本さんの研究内容を引き継ぎ、この北菱電興のコーオプ教育のプログラムに参加しています。

今後も人材育成に努めていくとともに、様々なパートナー企業と連携し、これからのSociety5.0社会に資する、実社会をフィールドとした社会実装型の教育研究をさらに拡大して取組んで参ります。

Challenge Labの「スムーススペース」を利用して発表会の中継を行った

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