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自動車や航空機向けCFRP複雑形状部材の性能予測が可能に。革新複合材料研究開発センター(ICC)の白井武広研究員らが共著者として参画した論文がApplied Composite Materials (2021)に掲載されました

やつかほリサーチキャンパス内にある学校法人金沢工業大学 革新複合材料研究開発センター。当研究は金沢工業大学COI拠点の「炭素繊維テープ強化熱可塑性プラスチックの材料開発および製造技術研究」テーマの一環として行われた

学校法人金沢工業大学 革新複合材料研究開発センター(ICC)の白井武広研究員らが共著者として参画した論文「炭素繊維テープ強化熱可塑性プラスチックの繊維配向分布測定へのX線CTの応用」がApplied Composite Materials (2021)に掲載されました。

当論文は、金沢工業大学COI拠点の「炭素繊維テープ強化熱可塑性プラスチックの材料開発および製造技術研究」テーマの一環として、東京大学大学院工学系研究科システム創成学専攻の髙橋 淳教授との共同研究の成果をまとめたものです。

不連続炭素繊維テープをランダム配向積層した熱可塑性CFRP(以下,CTT)は複雑形状部品の成形が可能であることから、自動車や航空機、人体装具品など幅広い適用が期待されています。一方で、不連続繊維材料の機械的特性や破壊挙動は、繊維配向分布(FOD)に大きく依存するために CTT成形品の性能を精度良く予測するためには正確なFODの測定が必要となります。

そこで本研究グループは、CTT成形品のFODをX線CT装置による撮影データから画像処理によって取得し、網目理論 (Netting analysis)を用いて弾性率の予測を行うことで、取得されたFODデータの精度を検証しました。AVIZOと3D-Bonの2つのX線CT画像処理を用いてFODを取得し、各々の解析アルゴリズムの違いによる結果の差異を考察し、また予測された弾性率についてFODサンプル数に対する予測結果のバラツキ検証した結果、サンプル数15個超において弾性率予測バラツキの範囲が実験結果と一致することを明らかにしました。以上からX線CT画像処理により取得したFODは機械特性の予測手法などへ応用できる有効性が示されました。

ICCのX線CT装置

CTT材料内部の撮影画像(左半分)と画像処理結果(右半分)


[論文について]

Application of X-ray Computed Tomography to Measuring Fiber Orientation Distribution of Chopped Carbon Fiber Tape Reinforced Thermoplastics

Guangbin Cai, Takehiro Shirai, Yi Wan, Kiyoshi Uzawa & Jun Takahashi

Applied Composite Materials (2021) Published: 27 February 2021

DOI https://doi.org/10.1007/s10443-021-09875-1

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