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白山麓で行うエネルギーマネジメントプロジェクトの取り組みが評価。電気電子工学科の泉井良夫教授が電気学会の「業績賞」を受賞

電気電子工学科の泉井良夫教授が、電気学会の令和2年度「業績賞」を受賞しました。

受賞者:金沢工業大学 工学部電気電子工学科 泉井良夫教授

業績名:エネルギーマネージメントシステムの進歩に関する学術研究ならびに電気学会活動への貢献

泉井良夫教授

泉井教授は、白山麓キャンパスで行われる「エネルギーマネジメントプロジェクト」で中心的な役割を果たしており、今回の受賞はこのプロジェクトの取り組みが評価されたものとなります。

エネルギーマネジメントプロジェクトでは、再生可能エネルギーのベストミックスを探りエネルギーを地産地消する、社会実装型の実証実験が進められています。プロジェクトでは、

1. 太陽光・風力・小水力・バイオマス発電・地熱発電などによる創エネ

2. 蓄電池・電気自動車(EV)・水素へのエネルギー貯蔵

3. DC(直流)リンクによる効率化

4. 温泉水・地下水・バイオマスボイラー・低温発電を用いた熱活用

などを組み合わせ、地域内エネルギーの最適な運用を実現することを、最終的なゴールとして設定しています。

現在、白山麓キャンパスには発電した電力をミックスした小エリア直流(DC)配電網が構築されており、設備でつくられた電気と熱は、居住者が暮らすコテージでおもに使用されています。このような実証実験フィールド上で、泉井教授ら研究メンバーは発電量や消費量などのモニタリングを行い、電力・エネルギーを「つくる」「送る・貯める」「使う」「制御」という視点で総合的にコントロールするエネルギーマネジメントの研究を行なっています。

あわせて、EVや電動自転車を仮想的な配電網と見立てて、電気が不足する地域に電気を運ぶ仮想配電線の実証実験も行っています。このモデルは、既存電力網の大規模停電(ブラックアウト)発生時にも稼働できる新しい電力システムとして、進展が期待されています。

エネルギーマネジメントプロジェクトの実証実験が行なわれる白山麓キャンパス

また、泉井教授の他の業績として、平成17年と平成18年には、関連する内容で電気学会学術振興賞の進歩賞と論文賞、平成24年と平成26年には、C部門貢献賞、C部門誌優秀論文賞、平成26年、平成28年、平成30年度にはC部門大会企画賞を3度受賞しています。平成25年から平成29年まで、内閣府・総合科学技術・イノベーション会議、重要課題専門調査会、エネルギー戦略協議会構成員などを務め、電気学会にてC部門編修担当役員や平成19年全国大会論文委員会委員長など42の役職を歴任し、電気学会の発展に大きな業績を残してきました。

電気学会、業績賞について

電気学会は1888年に創設された学者・技術者で構成される会員組織の学術法人で、会員数は20,221名(令和2年3月31日)にのぼります。初代会長は榎本武揚です。「業績賞」は長年にわたり電気学術または技術の発展に貢献した方、また電気学会の発展に貢献した方に送られる賞です。令和2年度は、泉井教授を含む4名が「業績賞」の受賞者に選ばれました。

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