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大学院の市川航暉さんが「日本人間工学会関西支部大会」で優秀発表賞を受賞。芸術祭の作品構成をテーマに、感動の指数化を産学連携で研究

大学院システム設計工学専攻博士前期課程1年次の市川航暉さん(心理科学科 神宮研究室所属)が、2019年12月14日(土)に金沢歌劇座で開催された「2019年度日本人間工学会関西支部大会」で、優秀発表賞を受賞しました(*1)。

タイトルは「感動の指数化の提案-芸術祭での記憶を手がかりに-」で、女子美術大学アートプロデュース表現領域と(株)ムラヤマ内の感動創造研究所と本学との産学共同研究の一部として取り組んだプロジェクトデザインⅢ(卒業研究)の研究成果を発表しました。

各地で芸術祭が多く開催されていますが、全てが成功しているとは言えず、成功の要因の一つとして、何度も訪れてもらえることが必要になってきます。このためには、作品と接した人の心が動いて(感動)、記憶に深く刻み込まれることが重要であると考えられます。市川さんは、どのような作品あるいは作品の構成が感動に繋がるのかを、現地での実験を積み重ねて、構成の提案と感動の指数化の可能性を明らかにしました。

実験方法としては、簡易型の心電計を女子美術大学の学生に装着してもらい、ある芸術祭の作品を観てもらいました。その後、どの作品が記憶に残っているかをインタビューし、心電計測結果から副交感神経の活動指標を算出し、記憶に残っている作品と残っていない作品での違いを明らかにしました。活動指標の特徴と作品間の記憶の違いから、構成の仕方に対する提案と感動指数の提案を行いました(*2)。

今後、市川さんは修士研究に向けて、芸術祭以外のイベントやラジオ・テレビの番組内容やCMなど、何らかの構成やプロデュースが必要な事柄について、研究範囲を広げていく予定です。

日本人間工学会は、人間工学に関する諸研究およびそれに関連する事業を促進することを目的とし、1964年に創立されました。関西支部大会における市川さんの受賞は、対象数22件から選ばれた4件中の1件でした。

*1 受賞時の市川さんの所属は情報フロンティア学部心理情報学科4年次。

*2 実際の実験状況については、2018年度の本産学共同研究の成果が2019年1月3日の朝日新聞で紹介されており、朝日デジタルで公開されています。

朝日新聞デジタル|美大生の胸に心電計、「感動」測定 ギャップが動かす心(2019年1月11日)

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心理科学科 神宮英夫研究室

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