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植物由来の複合材料を自動車に適用目指す。パームヤシを有効利用したセルロースナノファイバー(CNF)を国際共同研究。金沢工業大学革新複合材料研究開発センター(ICC)の附木研究員とマレーシアプトラ大学

金沢工業大学革新複合材料研究開発センター(ICC)附木貴行研究員とマレーシアプトラ大学では、マレーシアのバイオマス繊維としてパームヤシを有効利用したセルロースナノファイバーに関して共同研究に取り組んでいます。将来的にはパームヤシ由来の複合材料を自動車部品等に適用することで、地球温暖化に繋がるCO2排出抑制への貢献を目指しています。

セルロースナノファイバー(CNF)は、高い結晶性、熱安定性、生分解性、生体適合性、無毒などの優れた物理的特性を持つため、多くの製品製造において、再生不可能な材料の使用を置き換えることができる有望な再生可能なナノ材料として注目されています。

特に自動車業界では、環境を汚染し気候を混乱させる廃棄物の排出ゼロをめざす『ゼロ・エミッション』への取り組みが盛んで、地球温暖化に繋がるCO2排出を抑制するため、カーボンニュートラルなCNFへの関心が近年高まっています。

マレーシアプトラ大学は農学部系を持つ研究大学で、マレーシアで栽培されている植物繊維を用いたパームヤシ、ケナフ、竹、バナナなどの植物繊維の研究に取り組んでいます。一方、金沢工業大学革新複合材料研究開発センター(ICC)では炭素繊維、ガラス繊維、バイオマス繊維を使った革新的な複合材料の研究に取り組んでいるため、両大学は2018年10月16日にMOU(協力協定)を締結。研究センター間での学生を含む人材交流や、得意分野を協働した国際共同研究を目指しています。

このたび2020年4月17日付で発表され国際共著論文は、ポリエチレン(PE)/セルロースナノファイバー(CNF)ナノコンポジットを作製する加工法として、内部溶融混練法(IMB)と二軸スクリュ押出法(TWS)の2つの異なる液体アシスト加工法を比較。TWSはIMBに比べて、ポリマーマトリックス中にCNFを均一に分散させるための優れたアプローチであり、ナノコンポジットの機械的特性、結晶性および熱的特性にプラスの影響を与えることを明らかにしました。また、繊維の配向性をICCのX-CTを使用し精密に評価することで論文の価値を高めています。

掲載論文

Well-Dispersed Cellulose Nanofiber in Low Density Polyethylene Nanocomposite by Liquid-Assisted Extrusion

https://www.mdpi.com/2073-4360/12/4/927/htm

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