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日本の大学で初めて。金沢工業大学革新複合材料研究開発センター(ICC)が企業と共同開発した炭素繊維複合材料がパリで開催された世界最大の複合材料展示会で受賞

金沢工業大学革新複合材料研究開発センター(所長 鵜澤潔教授)が小松精練と共同で開発した炭素繊維複合材料、『カボコーマ・ストランドロッド』が2018年3月6日から8日までフランス・パリで開催された世界最大の複合材料の展示会「JEC World 2018」の「建築・インフラ部門」で"JEC Innovation Awards(JEC賞)"を初受賞しました。(JEC:Journals and Exhibitions on Composites)

JEC展は年に1回、パリで開催される世界最大の複合材料展示会です。『JEC賞』は、航空機、自動車などの複数分野で、エントリーされた革新的な技術・商品を厳正に審査し、分野毎に表彰するもので、10部門で優秀な11件が受賞しました。今回のエントリーは、小松精練が申請企業となり、金沢工業大学、ナガセケムテックスをパートナーとする3者共同で行いました。

「建築・インフラ部門」での受賞は、小松精練が日本企業として初めてとなります。また、今回の金沢工業大学のパートナー受賞は、日本の大学として初めてとなります。

『カボコーマ・ストランドロッド』は文部科学省が進める「革新的イノベーション創出プログラム(COI STREAM)」の一環で、金沢工業大学革新複合材料研究開発センターが小松精練と共同開発した炭素繊維複合材料です。

文部科学省では10年後を見通した革新的な研究開発課題に関して、既存分野・組織の壁を取り払い、企業だけでは実現できない革新的なイノベーションを産学連携で実現するため「革新的イノベーション創出プログラム(COI STREAM)」を2013年度から開始し、全国で18か所、COI中核拠点( Center of Innovation)を選定しています。金沢工業大学はこの全国で18あるCOI中核拠点の一つに選定され、金沢工業大学やつかほリサーチキャンパスにある金沢工業大学革新複合材料研究開発センターが異分野の企業や研究機関がひとつ屋根の下に集うアンダーワンルーフ方式で「革新材料による次世代インフラシステムの構築」に取り組んでいます。

*18あるCOI中核拠点で私立大学で選定されているのは金沢工業大学と立命館大学、慶應義塾大学の3大学のみ。

『カボコーマ・ストランドロッド』は、新開発の特殊な熱可塑性樹脂と炭素繊維を複合化することで施工性が従来の3倍と飛躍的に向上しました。これにより、これまで課題であった工事費用の大幅なダウンを実現しました。また、結露しにくく、高強度、軽量であることから、木材にやさしい素材として、重要文化財等の耐震補強材料としての分野を切り開いた功績も評価されました。この材料は、建築補強用材料として年内にも日本工業規格(JIS)化される予定で、JIS化はわが国では初めてとなります。

共同開発された炭素繊維複合材料『カボコーマ・ストランドロッド』

『カボコーマ・ストランドロッド』受賞メンバー。写真左が鵜澤ICC所長

【関連リンク】

石川発の炭素繊維複合材が耐震補強材として日本初のJIS規格(日本工業規格)化へ。金沢工業大学革新複合材料研究開発センター(ICC)と小松精練株式会社が共同開発

金沢工業大学革新複合材料研究開発センター(ICC)Webサイト

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