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工具損傷メカニズムの解明による高能率加工と、日本刀の評価・設計法の研究成果が評価。大学院修了の渡邉賢太郎さんと博士前期課程2年の大井恭さんが精密工学会ベストプレゼンテーション賞を受賞

渡邉賢太郎さん(左)と大井恭さん公益財団法人精密工学会が主催する2018年度精密工学会春季大会学術講演会が3月15日~17日に開催され、大学院工学研究科機械工学専攻の渡邉賢太郎さん(2018年3月修了)と、同専攻博士前期課程2年の大井恭さんが揃って同学会ベストプレゼンテーション賞を受賞しました。

精密工学会では、春季・秋季大会学術講演会において優れた講演発表に対しベストプレゼンテーション賞の表彰を行っています。今回の春季大会の総講演件数は459件で、そのうち対象となる講演364件の中から40件(40名)のベストプレゼンテーション賞の受賞者が選ばれました。

講演発表内容

駆動型ロータリ加工による焼入れ鋼の高能率加工に関する研究 ―切削環境の違いが工具損傷に及ぼす影響―

渡邉賢太郎さん(2018年3月修了生)、加藤秀治教授、久保田和幸さん、中村浩人さん

金属同士の摩擦や繰り返し荷重が加わるカムなどの自動車用エンジン部品には高硬度特性を有する焼き入れ鋼が多用されています。研究室では偏心カムの仕上げ加工をターゲットとしており、被膜超硬合金工具と駆動型ロータリ加工の組み合わせにおいて送り量を増加させることにより、3~5倍の高能率加工を可能としています。さらなる高能率加工を考えた場合には、送り量のみではなく切削速度を増加させる手法が必要不可欠となりますが、高能率化の達成には切削温度の上昇による工具損傷が大きな障壁となっていました。本研究では、従来使用される切削速度の3倍の条件において工具損傷機構の解明を試み、被膜工具の寿命の原因が被膜の酸化に起因することを突き止めました。また、この結果を踏まえマイクロドライアイスパウダーを供給することにより工具被膜の酸化を抑制することが可能となり、これまでは不可能であった高速切削速度条件における工具の長寿命化を達成しました。

新作日本刀の評価・設計法の研究 ―刀剣研師の感性評価と現代刀の審査結果に基づく新作日本刀の設計アプローチ―

大井恭さん、畝田道雄教授、石川憲一教授

日本刀は我が国における工業技術の原点であり、歴史的文化遺産の一翼を形成しています。古来より武器としての実用性に加え、戦国武将らの権威を高めることも目的として、その美術的価値が合わせて求められてきました。そして、作刀に関わる多くの匠らの絶え間ない「美」への探求によって多くの名刀が生み出されてきました。現在においても、多くの匠らの努力によってその技術は継承されています。しかし、継承されている技術は感覚で捉えられることが主体で、後に続く若い匠らが参考にできる羅針盤的指標は十分と言えないと考えられます。

このような事柄を背景に、本研究では新作日本刀の評価・設計法の提案と実証を行い、我が国の歴史的文化遺産を後世に引き継ぐための道標の明示を最終目的としています。ベストプレゼンテーション賞を受賞した学会発表は、刀剣研師の感性を解析し、深層心理を可視化することによって刀剣研師の成長プロセスの解明を試みた結果について言及したものです。さらには、現代刀の審査・展覧会における評価結果を統計的・数理解析的に分析することを通じて、新作日本刀の2次元的な形状設計を工学の立場から試みた結果を報告しました。

なお、本研究の一部は科学研究費補助金(テーマ名:日本刀の「美」の科学的解明とそれに基づく新しい作刀評価・設計法の提案と実証)の支援を得て行われているものです。

【関連リンク】

公益社団法人精密工学会 2018年度春季大会

加藤秀治 研究室

畝田道雄 研究室

渡邉賢太郎さん(左)と大井恭さん公益財団法人精密工学会が主催する2018年度精密工学会春季大会学術講演会が3月15日~17日に開催され、大学院工学研究科機械工学専攻の渡邉賢太郎さん(2018年3月修了)と、同専攻博士前期課程2年の大井恭さんが揃って同学会ベストプレゼンテーション賞を受賞しました。

精密工学会では、春季・秋季大会学術講演会において優れた講演発表に対しベストプレゼンテーション賞の表彰を行っています。今回の春季大会の総講演件数は459件で、そのうち対象となる講演364件の中から40件(40名)のベストプレゼンテーション賞の受賞者が選ばれました。

講演発表内容

駆動型ロータリ加工による焼入れ鋼の高能率加工に関する研究 ―切削環境の違いが工具損傷に及ぼす影響―

渡邉賢太郎さん(2018年3月修了生)、加藤秀治教授、久保田和幸さん、中村浩人さん

金属同士の摩擦や繰り返し荷重が加わるカムなどの自動車用エンジン部品には高硬度特性を有する焼き入れ鋼が多用されています。研究室では偏心カムの仕上げ加工をターゲットとしており、被膜超硬合金工具と駆動型ロータリ加工の組み合わせにおいて送り量を増加させることにより、3~5倍の高能率加工を可能としています。さらなる高能率加工を考えた場合には、送り量のみではなく切削速度を増加させる手法が必要不可欠となりますが、高能率化の達成には切削温度の上昇による工具損傷が大きな障壁となっていました。本研究では、従来使用される切削速度の3倍の条件において工具損傷機構の解明を試み、被膜工具の寿命の原因が被膜の酸化に起因することを突き止めました。また、この結果を踏まえマイクロドライアイスパウダーを供給することにより工具被膜の酸化を抑制することが可能となり、これまでは不可能であった高速切削速度条件における工具の長寿命化を達成しました。

新作日本刀の評価・設計法の研究 ―刀剣研師の感性評価と現代刀の審査結果に基づく新作日本刀の設計アプローチ―

大井恭さん、畝田道雄教授、石川憲一教授

日本刀は我が国における工業技術の原点であり、歴史的文化遺産の一翼を形成しています。古来より武器としての実用性に加え、戦国武将らの権威を高めることも目的として、その美術的価値が合わせて求められてきました。そして、作刀に関わる多くの匠らの絶え間ない「美」への探求によって多くの名刀が生み出されてきました。現在においても、多くの匠らの努力によってその技術は継承されています。しかし、継承されている技術は感覚で捉えられることが主体で、後に続く若い匠らが参考にできる羅針盤的指標は十分と言えないと考えられます。

このような事柄を背景に、本研究では新作日本刀の評価・設計法の提案と実証を行い、我が国の歴史的文化遺産を後世に引き継ぐための道標の明示を最終目的としています。ベストプレゼンテーション賞を受賞した学会発表は、刀剣研師の感性を解析し、深層心理を可視化することによって刀剣研師の成長プロセスの解明を試みた結果について言及したものです。さらには、現代刀の審査・展覧会における評価結果を統計的・数理解析的に分析することを通じて、新作日本刀の2次元的な形状設計を工学の立場から試みた結果を報告しました。

なお、本研究の一部は科学研究費補助金(テーマ名:日本刀の「美」の科学的解明とそれに基づく新しい作刀評価・設計法の提案と実証)の支援を得て行われているものです。

【関連リンク】

公益社団法人精密工学会 2018年度春季大会

加藤秀治 研究室

畝田道雄 研究室

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