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複合材料の社会実装を目指す革新複合材料研究開発センター「実証開発拠点」が開所。 国連全加盟国が達成を目指すSDGsへの貢献にも期待

「実証開発拠点」は鉄骨構造3階建、延床面積約1,300平方メートル、総工費約7億円

学校法人金沢工業大学は、やつかほリサーチキャンパスにある革新複合材料研究開発センター(ICC)の拡張整備工事として昨年9月29日より建設を進めてきた「複合材料の高速・連続成形プロセス開発による革新複合材料実証開発拠点」の開所式を本日7月5日(木)、開催しました。


ICCは、炭素繊維複合材料分野の国のイノベーション創出中核拠点として、基礎研究の「川上」から実用化の「川下」まで、異分野の研究者が「同じ屋根のもと」で連携し、新たな市場形成を目指して、船舶、住宅構造物、海洋構造物、大型構造物における具体的な適用研究と商品開発に取り組んできました。


完成した「実証開発拠点」では、秘匿性の高い先進革新製造装置の研究開発や実証試験を実施し、研究成果の社会実装を目指します。

ICCの外観


大型部材の成形が可能な大空間が特徴


【ICCの取組とSDGs】

ICCが小松精錬株式会社と共同開発した熱可塑性炭素繊維複合材は災害に強い建設物を実現する素材として国内標準化が見込まれています。金沢工業大学におけるこうした社会実装型の教育研究活動は、国連全加盟国が進める世界を変えるための持続可能な開発目標「SDGs」達成に貢献するものとして評価され、昨年12月、第1回「ジャパンSDGsアワード」SDGs推進副本部長(内閣官房長官)賞を受賞しています。


炭素繊維複合材料は鉄の10倍の強度を有しながら重さは4分の1という、日本が生み出した革新的な材料です。軽くて強く錆びないという特徴から、災害に強く維持費用が限りなくゼロに近い社会インフラや洋上風力発電の大型ブレードなどの長大構造物など、現状では適用されていない無数の分野への進出が可能となります。

ICCにおける社会実装に向けた研究開発は、SDGsが掲げる17の開発目標のうち、「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」「産業と技術革新の基盤をつくろう」「住み続けられるまちづくりを」「気候変動に具体的な対策を」「パートナーシップで目標を達成しよう」の達成に貢献する取組として大きな期待が寄せられています。



学校法人金沢工業大学 革新複合材料研究開発センター「実証開発拠点」開所式を開催。事業化により近いレベルでの製造プロセスの開発や実証的な研究開発が可能に (2018.6.29)

学校法人金沢工業大学 革新複合材料研究開発センターwebページ


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